高リターンを記録したブロックチェーン投資信託
高パフォーマンスのブロックチェーン上場投資信託(ETF)を投資情報メディアInvestopediaが、3つピックアップして解説した。この記事ではその内容を紹介する。
ブロックチェーンETFとは、ブロックチェーン技術で事業を展開している企業や、何らかの形でブロックチェーン技術から利益を得ている企業の株式を運用するもの。多くは大手テクノロジー企業の株式で、その中には仮想通貨関連企業の株式も含まれるが、暗号資産(仮想通貨)に直接投資するものではない。
過去一年間で、特に好調なパフォーマンスを見せたのはBLOK、BLCN、LEGRという3つのETFだ。いずれも2021年2月1日現在でS&P 500の総リターン19.1%を上回る総リターンを記録している。
Amplify Transformational Data Sharing ETF (BLOK)
年間パフォ-マンス112%、運用資産5億3,590万ドル(約560億円)でAmplifyが販売するETF。
ブロックチェーン技術の開発・活用に取り組む企業の株式に純資産の80%以上を投資するアクティブ運用型(目安となる指数を上回る成績を目標とする)ETF。様々な時価総額のバリュー株とグロース株をミックスして投資する、混合戦略を採用。
ソフトウェア・サービス、金融、メディア・エンターテイメント業界を中心とする55の株式を保有している。上位3銘柄は、マイクロストラテジー(MSTR)、マラソン・パテント・グループ(MARA)、シルバーゲート・キャピタル (SI)だ。
マイクロストラテジーは、巨額のビットコイン(BTC)を財務資産として購入して注目を集めている企業。累計で70,784 BTC(約2,500億円)と、米上場企業としては最も多くのビットコインを購入している。
同社CEO Michael Saylor氏は「現金よりもビットコインで資産を保有する方が投資家に大きな利益をもたらす可能性がある」と発言。また、BTC購入を受け、株式市場でマイクロストラテジーへの注目が高まり、2020年夏以来大幅に同社株式は上昇している。
マラソン・パテント・グループは大手仮想通貨マイニング企業で、特許権関連のサービスプロバイダーでもある。シルバーゲート・キャピタル (SI)は銀行持株会社で、子会社シルバーゲート銀行が仮想通貨業界に金融インフラソリューションを提供している。
Reality Shares Nasdaq NexGen Economy ETF (BLCN)
年間パフォ-マンス62.8%、運用資産2億1,910万ドル(約230億円)でReality Sharesが販売するETF。
ブロックチェーン技術の開発、研究、支援、イノベーション、活用に携わる企業のパフォーマンスを測定するReality Shares Nasdaq Blockchain Economy Indexをトラックするもの。上位3銘柄は、ギャラクシー・デジタルホールディングス (GLXY:TSE)、中国の百度(Baidu)のADR、カナンのADRである。
ADRとは、米国預託証書のことで、米国外企業の株式を裏付けとして米国で発行される有価証券だ。
ギャラクシー・デジタルは、仮想通貨とブロックチェーンに特化した商業銀行で、百度は中国のインターネット検索プロバイダー、カナンはハードウェア用集積回路マイクロプロセッサを提供する企業である。
First Trust Indxx Innovative Transaction&Process ETF (LEGR)
年間パフォ-マンス22.5%、運用資産5,720万ドル(約60億円)でFirst Trustが販売するETF。
ブロックチェーン技術について積極的に活用、投資、開発する企業、またはブロックチェーン技術の恩恵を受ける製品を持つ企業のパフォーマンスを測定する指数をトラックするもの。大規模企業のグロース株とバリュー株の両方に投資する混合戦略を採用している。
上位3銘柄は、BaiduのADR、メモリ・ストレージソリューションを提供するマイクロンテクノロジー(MU)、多国籍半導体メーカー、台湾セミコンダクターマニュファクチャリング(TSM)のADRだ。
こうしたETFはブロックチェーンや仮想通貨に間接的に投資する手段ともなる。仮想通貨関連ETFとしては、先月資産管理企業VanEckが米証券取引委員会(SEC)に申請した事例がある。
同社は、仮想通貨取引所の運営企業や決済ゲートウェイ企業、マイニング企業、および仮想通貨を大量に保有する企業のパフォーマンスについての指数を提供予定。新たなETFは、この指数と連動する予定だ。
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