ビットコイン下押し圧力要因、「マイナー指標」は8年ぶり水準の売り先行を示唆

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仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)

27日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比-0.59%の333万円(32,180ドル)に。約31000ドル〜約35000ドルまで乱高下しつつ推移している。

乱高下の過程で、先物市場では6億6,000万ドル相当が清算された。

1月29日に控えるCME先物SQでは、100億ドル相当の建玉の内、約50%が満了日を迎えることになり、保有建玉(ポジション)を次限月以降に乗り換えるロールオーバーが相当数発生するものと思われる。

弱気転換を示唆するデータ

データ分析サイトCryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは、4万ドルを記録して以来、一転して下落に転じるビットコイン市場について、マイナー(採掘業者)による大量売却が行われていることを指摘した。

CryptoQuantのマイナーポジションインデックス(Miner Position Index)は、8年ぶりの高値を記録した。

同指標は、米ドル建てのマイナーの流出量を365日移動平均で割って算出。これは、マイナーが保有するウォレットからの資金移動を売却行動と仮定。過去平均と比較した、マイナーのイグジット・タイミング(利確水準)を定量的に説明したものだ。

マイナーは通常、機材調達や稼働コストの捻出のため採掘したBTCを売却する。高値更新時は売却を控えて長期保有する動機が生まれやすかったが、下落局面で状況が変化して溜まっていた在庫を売り捌いていた可能性がある。時期的に、より高性能なマイニングリグの調達需要に伴うものとの指摘もある。

一方で、ハッシュレートは暴落以降も高水準をキープしていることから、中・長期では強気目線を堅持しているものと考えられる。16日時点では、過去最高水準の153.0TH/s(前週比+106.8%)に達していた。

コインベース・プレミアムが示すもの

Ki Young Ju氏は、米Coinbaseのプレミアム(価格乖離)を参照し、「今の相場を押し上げるには、機関投資家による米ドルの現物購入量が不足している」と指摘した。

CryptoQuantのデータによれば、ビットコイン2万ドル突破時には最大+77ドル、3万ドル突破時には50〜160ドル、4万ドル突破時には50〜174ドルのプレミアムが発生。富裕層や機関投資家による大量の資金流入を示唆していた。

CryptoQuantがCoinPostに寄稿したクジラ(大口投資家)動向などの相場分析方法は、以下で解説している。

DeFi市場への資金移動も

ビットコインから高騰する他のアルトコインへの資金移動もみられ、市場占有率(ドミナンス)は低下傾向にある。

DeFi市場の再燃において、DeFi預け入れられたビットコイン量も再び増加しており、4.3万BTC(1500億円相当)に達した。

DeFiの多くはイーサリアムブロックチェーン基盤で構築されているが、ギャラクシーデジタルやゴールドマンサックスの支援を受ける米カストディ企業BitGoに預け入れて発行する「Wrapped Bitcoin(WBTC)」といった、ビットコインに裏付けられたERC20トークンの流通量も増加傾向にある。

WBTCは、ビットコインの流動性と全ての分散型アプリを強化するため、イーサリアム上のエコシステムを繋ぐ架け橋として機能する。

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