ビットコイン価格の長期的な見通し
金融情報企業「ブルームバーグ アジア」は26日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の長期的な見通しに関する内容など、BTCの2021年の展望について語るオンラインライブ番組を放送した。
今回行われた26日の放送では、シンガポールの仮想通貨取引所「Luno」でアジア太平洋地域のトップを務めるVijay Ayyar氏と、香港のデジタル資産プラットフォーム「OSL」の幹部Matt Long氏にインタビューを実施。番組では、BTC価格は長期的に5万ドル(約518万円)を超える可能性がある点や、トレードの対象として人気があるだけでなく、インフレヘッジとしてBTCを購入する新たな投資家が増えており、「デジタルゴールド」として存在感を高めているという見解を業界関係者が語った。
5万ドルの価格予想をしたのは「Luno」のAyyar氏で、BTCは長期的に投資資産としてゴールド(金)と争うようになると主張。「BTCは今後3年、5年、または10年かけて、ゴールドの時価総額に近づいていく」とコメントした。
全ての金融資産の時価総額をランク付けしている「8marketcap」によると、本記事執筆時点のゴールドの時価総額は1位の11兆ドル超(約1140兆円)。BTCの時価総額は12位でおよそ5980億ドル(約62兆円)となっており、まだゴールドの時価総額の5.4%だ。
インフレヘッジとしての需要が高まっていると指摘したのがLong氏。BTCの価格予想は難しいと前置きした上で、「ファンドやファミリーオフィスがポートフォリオの0.5%か1%をBTCに割り振るようになるにつれて、長期的にBTCの価格は上昇する可能性が高い」との見解を示した。
BTCには下振れリスクも
BTC価格は今年に入り4万ドル(約414万円)を超えた後に反落。企業や機関投資家による需要は継続しているが、短期的な価格予想については、下降トレンドに転換する可能性を指摘する声も聞かれている。
ブルームバーグは今週、米金融大手JPモルガン・チェースのストラテジストが「再び4万ドル台を回復するためには、機関投資家の資金流入が不足している」と指摘したと報じた。
JPモルガンのストラテジストは米グレースケール社が運営するBTC投資信託(GBTC)への資金流入量が減少しているとし、相場の勢いを示すモメンタムを重視する投資家がBTC先物のポジションを解消する可能性を挙げ、短期的には下振れリスクに傾いていると分析している。
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