「ビットコインブロックチェーンに問題発生」噂が広がった背景とFUDとの指摘

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二重払いFUDの背景

ビットコイン(BTC)ブロックチェーンで、瞬間的なチェーン分岐が確認され、二つのブロックの再編成を行う(Reorg)が発生した。一部のメディアは、この分岐を悪意のある攻撃として、ビットコインブロックチェーンへの51%攻撃や、二重払いが発生したとする論調で報道を行い、ビットコイン市場を混乱させる要因となっている。

今回、ビットコインブロックチェーンへの二重支払いが指摘された背景は、ブロック番号666,833で発生した「オーファンブロック」のブロック生成に関するものだ。再編成そのものは正常な動作となるが、未確定の状況で取引所が受け取った資産(仮想通貨)を早期払いしてしまったケースで起こり得る二重払いが起きた可能性が一部で指摘された。

ハッシュレートが小さく、ネットワークセキュリティの低い小規模チェーンでは、ハッシュレートの過半数を有する51%攻撃などの被害が複数確認されていた。

しかし、ビットコインなどの大規模チェーンである場合、参画するマイナーのハッシュレートが桁違いに高く、対策として実施される取引所の入金承認数の確保も行うことから、二重支払いのリスクは極めて低いとされる。

今回の状況を報告したBitMEXリサーチも、今回の動きは、二重払いに該当しないと言及。ビットコインの発行済み数(サプライ数)に新たなBTCが加わったわけではないと状況を説明した。有識者のAntonopoulos氏も、「ビットコインの再編成は特殊な事例ではない。設計通りに動いている」と説明している。

FUDとは

大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとすること

再編成の詳細について

再編成に至るまで何が起きたのか。Antonopoulos氏やデータ分析企業CoinMetrics所属のLucas Nuzzi氏の説明を以下にまとめた。

  1. ユーザーが低い手数料で、0.00062063 BTCを送金
  2. 送金の承認を加速させるために、手数料を引き上げたRBF(Replace By Fee)送金を2回送付
  3. RBFが受けつけられる前に、最初の送金が承認された
  4. RBFの送金がオーファンブロックに入った

Nuzzi氏は、「ビットコインがインフレーションになったわけでもなく、二重払いも確認されていない」と指摘している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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