仮想通貨イオス開発企業のCTOが辞任 「自由を確保するためのツール構築へ」

Blockchain
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「新しい個人プロジェクトを追求するために出発」

暗号資産(仮想通貨)EOS(イオス)を開発するブロックチェーン企業Block.oneのDaniel Larimer CTO(最高技術責任者)が辞任を発表した。

辞任の発表を受け、EOS価格は11日、前日比20%安を記録している。

2017年4月に同社を共同創設したLarimer氏は、Block.oneが立ち上げたSNS「Voice」上で退任することを惜しみつつ、次のように語っている。

2020年12月31日をもって、block.oneのCTOを辞任した。

私は、自由な市場を作り、すべての人の生命、自由、財産、正義を確保するための自由意思による解決策を生み出すという使命を継続する。次に何をするかはまだ明確ではないが、検閲耐性のある技術を構築することに魅力を感じている。

「サービスとしての自由」を提供することはできないと思うようになったので、人々が自分の自由を確保するために使用できるツールの作成に焦点を当てたい。

Block.oneも、Larimer氏が「新しい個人プロジェクトを追求するために出発した」と公式発表。Brendan Blumer CEOは「これまでに貢献してくれたことに皆感謝している。彼が次に何をするのか楽しみだ。」と述べた。

検閲に対抗する独立したインフラストラクチャ

Larimer氏が「サービスとしての自由を提供できない」と語っていることについては、最近のSNSの動向があるようだ。

以前のブログ投稿でLarimer氏は、Twitterの検閲は「制御不能になっている」として、Twitterをボイコットすると述べていた。

また、「検閲の問題はTwitterだけでなく、Facebook、Apple、Google、金融システムなどにも及んでおり、これは人々が、中央集権化された組織へ過度に依存していることが背景」と意見。

これに対する明確なソリューションは「独自の独立したインフラストラクチャを構築すること」だと論じた。

Block.oneは2020年夏に、SNSアプリ「Voice」を正式にローンチした。Voiceは、プラットフォームが利用者の情報を一手に握るSNSの現状を打破する新たなSNSサービスというコンセプトで開発されたものだ。

Voiceは、EOSIOブロックチェーン上で構築されており、利用者はVoice上での活動がフェアであることを確認できる。例えば、利用者に知らされていないアルゴリズムによって、自身の投稿が表示されにくくなるといったことは原則できない。

また、しばしば既存のSNSでは運営側が利用者情報を収集し、広告収入を得るために独占的に利用していることが問題になる。その点でもVoiceは利用者に管理権を取り戻させることを目指しているという。

しかし、Larimer氏はVoiceも今後、ユーザーを検閲することを迫られる可能性があると語っている。「サービスとしての自由を提供できない」という発言の背景には、こうした考えがあるようだ。

Larimer氏は具体的に今後何を行うのか明かしていないが、中央集権的ではない「独立したインフラストラクチャ」の仕組み構築に関わるものかもしれない。

Block.oneも過去SECからの起訴に直面

Block.oneは仮想通貨EOSについて、2017年6月から約1年間にわたりICO(イニシャルコインオファリング)を実施、41億ドル相当(約4400億円)の資金調達に成功。

しかし2019年には米証券取引委員会(SEC)がEOSは未登録の有価証券だったとして同社を起訴した。Block.oneは2400万ドルの罰金を支払い、和解に至っている。

GoogleクラウドがEOSネットワークに参加

尚、2020年10月にはGoogleクラウドがEOSネットワークへの参加を表明しており、このことはトップIT企業もパブリックブロックチェーンを取り入れ始めたこと、またEOSの技術とコミュニティを受け入れたことを意味すると指摘されている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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