The Graphが上場
ブロックチェーン上にあるデータをインデックスおよび検索するための分散型プロトコルを開発しているプロジェクト「The Graph」が、12月17日にメインネットをローンチ。これに伴い、クラーケン、コインベースおよびバイナンスなどの大手仮想通貨取引所が、The GraphのネイティブトークンGRPの上場を発表。価格が急上昇している。
The Graphとは
「ブロックチェーン界のGoogle」とも称されているThe Graphとは、ブロックチェーン上にあるデータを見つけやすいようにするための、インデックスおよび検索プロトコルであり、分散的なチーム運営形式で2018年から運営されている。イーサリアムなどの分散型ネットワークから集められたトークン価格、トレード量、および流動性などのデータは、公開されているAPIを介して、「subgraph(サブグラフ)」と呼ばれるグループに分けられる。The Graphのデータは、このサブグラフの集団によって構成されている。APIは、誰でも構築および公開可能だ。
現在The Graphでは、イーサリアムブロックチェーン、分散型ファイルシステムネットワークIPFS、およびProof-of-Authorityアルゴリズムを採用しているイーサリアムのサイドチェーンやネットワークなどからのデータをインデックスし、1日に3億、月に40億程度のクエリを処理しているという。
現在までに3,000以上のサブグラフが作成され、Uniswap、SynthetixおよびDecentralandなどのDeFiプロダクトや、Web3.0アプリケーションの多くが、プロトコルにサブグラフを統合している。
GRPトークン
多くの取引所が上場を発表したGRPは、The Graphのネイティブトークンであり、エコシステム貢献者へのインセンティブとして機能している。
The Graphエコシステムは、インデックスおよびクエリ処理を行うノード運営者であるIndexer(インデクサー)、インデックスすべきサブグラフについてインデクサーにシグナルを出すCurator(キュレーター)、インデクサーにステークし、ノード運営を行わずにネットワークのセキュリティを保護するDelegator(デリゲーター)、およびこのようなサービスを利用する消費者で構成されている。
今年7月にローンチされたThe Graphのテストネット、Mission Controlに参加したインデクサー(ノード)に対して、ネットワークへの貢献の報酬として、メインネットローンチ時に最大で10万ドル(約1,030万円)分のGRPが渡された。また、テストネット中のキュレーターを募るための報酬プログラムが実施され、プログラムに参加したキュレーターに対しては、1,000ドル(約10万円)分のGRTが付与された。テストネットでの貢献度が大きかったキュレーターに対しては、メインネットローンチ後も4年間にわたってGRPが付与される予定だ。
The Graphは、12月17日のメインネットローンチに先立ち、10月にGRP総発行量の4%、4億GRPを個人投資家へ先行販売し、1200万ドル(約12億円)を調達した。また、GRPの今回上場を発表したコインベースの投資部門コインベースベンチャーを含む多数のベンチャーキャピタルからも、500万ドル(約5億円)を調達している。
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