100億円相当が移動
2016年のハッキング事件で暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinexから盗難されたビットコイン(BTC)が移動したことが分かった。
仮想通貨送金を追跡するWhale Alertによると、本記事執筆時点で14取引に分けられ、合計5045.48BTC(100億円相当)が移動。送金先は「unknown wallet(未知のウォレット)」となっており不明である。以下が送金記録の一部だ。
⚠ 303.78 #BTC (5,844,954 USD) of stolen funds transferred from Bitfinex Hack 2016 to unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) November 30, 2020
⚠ 469.9 #BTC (8,998,318 USD) of stolen funds transferred from Bitfinex Hack 2016 to unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) November 30, 2020
Bitfinexは2016年のハッキングで約12万BTCを盗まれた。当時のレートは1BTC=約6万円で76億円に相当する。大半はすでに売却されたと見られているが、最近では今年10月に計2600万ドル以上(当時のレートで27億円相当)が移動したことが分かっている。
報酬を提供
Bitfinexは今年8月、盗難されたBTCを取り戻すために最大で4億ドル(約420億円)の報酬を提供すると発表した。
Bitfinexがハッカーと接触できるように貢献した人に対し、取り戻した分の5%を報酬として与えるほか、また同時に資金を返還した場合には、ハッカー自身にも25%分を提供すると伝えている。
ミキシングサービス等を含め売却経路の指摘はあるものの、現在多くの取引所が盗難通貨のブラックリスト登録を行っており、ハッカーは売れずにいる可能性もある。これらの報酬プログラムが解決への糸口になるかもしれないと期待されていたが、現時点ではBTCを取り返せていないと見られる。
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