公平に分布する仮想通貨
ブロックチェーンの分析を行うCoin Metricsが、ビットコイン(BTC)は他の暗号資産(仮想通貨)に比べ、より公平に分配されているというレポート結果を公開。歴史や価格だけでなく、大口のアドレスに大きく偏っていない点も、ビットコインの大きな魅力にあると分析した。
レポートでは、新しく発行されたBTCをコスト回収の観点などからマイナーが再分配する必要性を備えている点や、広く高まりつつある需要などを挙げ、分配を促す公平なメカニズムに支えられていると指摘。BTCは現存する仮想通貨の中で、最も平等に分布されている銘柄であると結んでいる。
Coin Metricsは10日、「ビットコイン:公平な分配に関する前例のない実験」というタイトルのレポートを発表。公平な分配を促す要因を明示するため、BTCの歴史を振り返りながら、他の銘柄との比較を交えて解説を行なっている。
BTCは1番最初に誕生した仮想通貨であるため、インターネットのダイアルアップ接続のように古いと言われることもあるが、新しい銘柄と比較しても技術は優れているとした。
2つの指標
Coin MetricsはBTCと他の銘柄の分配を比較するために、2つの指標を利用した。
1つ目は供給の公平性を表す「Supply Equality Ratio(SER)」。保有量で上位1%のアドレスに対し、全供給量の0.00001%よりも少ない数量を保有するアドレスがどのくらいあるのかを比較している。SERが高い方が、公平に分配されていることを表すという。
SERを銘柄別に比較したグラフが以下のものだ。オレンジ線のBTCが1番高く、2番目がイーサリアム(ETH)、3番目がライトコイン(LTC)と続いている。
Coin Metricsは、BTCは大きなカストディアンによって保管される傾向の強い銘柄であるため、とても興味深い結果になっていると主張している。一般投資家などからの需要高を背景に、1.85BTC(298万円相当)以下を保有するアドレスの数は増え続けており、上位1%のアドレスの増加と拮抗しているとも説明している。
もう1つの指標はネットワークの分配を計る「Network Distribution Factor(NDF)」。NDFは供給量の0.01%以上を保有するアドレスにおける合計の数量を算出、それを全体の供給量で割って求める分配比率を示す指標だ。
それを銘柄別に比較したグラフが以下のものになる。NDFの指標でもBTCが1番高い銘柄となった。
なお、本当に平等に分配されているかを考える際には、個人や企業が複数のアドレスを所有している場合があることを考慮する必要がある。Coin Metricsもこのことを注意点として挙げ、2つの指標は大まかな分配の流れを示していると説明。今後はこの調査方法の精度を上げていくとしている。
参考:Coin Metrics
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