ビットコイン投資信託への資金フロー、ゴールドETFを上回る
最大手デジタル資産運用会社グレースケールの最高経営責任者Michael Sonnenshein氏がJPモルガンの報告を引用、ビットコイン投資信託への資金流入ペースが、金(ゴールド)ETFを上回っていることが示されている。
“What makes the October flow trajectory for the @Grayscale #Bitcoin Trust even more impressive is its contrast with the equivalent flow trajectory for #gold ETFs, which overall saw modest outflows since mid-October…” via @jpmorgan pic.twitter.com/NQGZTIpZJu
— Michael Sonnenshein (@Sonnenshein) November 7, 2020
ゴールドETF(上場投資信託)よりも、グレースケールの提供するビットコイン投資信託(GBTC)への投資フローが急勾配を描いて上昇している。
JPモルガンは、ゴールドの代わりにビットコイン購入を検討する投資家の存在を示すかもしれないとして次のように分析する。
グレースケールのビットコイン投資信託は、ゴールドETFへの資金フロー曲線と対比するとさらに注目される。ゴールドは、10月中旬以降全体的に少量ながら資金流出が見られた。この対比からは、以前にファミリーオフィスなどゴールドETFに投資していた投資家の一部が、ゴールドを代替する資産としてビットコインを検討している可能性を考えられるかもしれない。
グレースケールの運用資産総額は91億ドルに到達
2013年に設立されたグレースケールは顧客にヘッジファンドやファミリーオフィス、年金、基金、適格投資家などを抱えており、急成長中だ。
11/06/20 UPDATE: Net Assets Under Management, Holdings per Share, and Market Price per Share for our Investment Products.
Total AUM: $9.1 billion$BTC $BCH $ETH $ETC $ZEN $LTC $XLM $XRP $ZEC pic.twitter.com/F3bEvvZqLq
— Grayscale (@Grayscale) November 6, 2020
同社はビットコイン(BTC)の他にも、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC )、ホライズン(ZEN)、ライトコイン(LTC)、ステラ(XLM)、リップル(XRP)、ジーキャッシュ(ZEC)など様々な暗号資産(仮想通貨)銘柄の投資信託を提供している。
資金流入額では、2020年の第3四半期のみで、グレースケールには10億ドル以上に上り、年初から現在までの期間では30億近くにまで拡大している。
11月6日発表の運用資産総額は、91億ドル(約9400億円)に到達した。
イーサリアム投資信託をSECに登録
グレースケールは10月、ビットコイン投資信託(GBTC)に続いてイーサリアム投資信託(ETHE)についても、SEC(米証券取引委員会)に報告する企業として正式登録。以降、SECに四半期・年次の運営情報を提出することになる。
このことで金融商品としての信頼性が向上したことも契機となってか、11月6日にETHEの運用総額は10億ドル(約1030億円)を突破した。
仮想通貨への見方を翻しつつあるJPモルガン
JPモルガンは今年に入ってからビットコインに対する批判的な見方を転換しつつある。
「流動性:ビットコインとゴールドの競争」という最近の報告書では、PayPalが仮想通貨業界に参入するニュースを受けて、「企業がビットコインをサポートしていくことを示すサインの一つ。長期的にみて、ミレニアル世代がビットコインを利用する率を高められると見る」と述べている。
ビットコインは「短期的には買われすぎの状況」と見るが、仮にミレニアル世代からの投資を中心に、オルタナティブ通貨としてゴールドとさらに競争していけば、長期的には上昇し得ると予測。ビットコインが民間セクターの投資規模でゴールドに匹敵するためには、ビットコイン時価総額が10倍(2.4兆ドル)になる必要があるとも分析している。
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