資金調達の上限額を引き上げへ
米国証券取引委員会(SEC)が資金調達に関する手続きの規制緩和を実施、資金調達できる金額の上限額も引き上げられた。トークン化したセキュリティトークンも適用される可能性がある事例として注目も集まる。
この草案は、今年3月にSECによって提出され、規制緩和の必要性について議論が展開されていた。
先月には、SECのコミッショナーHester Peirce氏(クリプトママ)も、SECの会議にて資金調達に関する規制緩和の必要性について訴えている。
今回の変更では、規制に係るコンプライアンス手続きの合理化およびコスト削減を企図しており、上限額が引き上げられたことにより、企業は費用控除などの恩恵も受けやすくなる。
The SEC took some steps today to make it easier for small- and medium-sized businesses to navigate the complexities of capital-raising: https://t.co/aTbia5Q5WM
— Hester Peirce (@HesterPeirce) November 2, 2020
具体的には今回の改正で、株式投資型クラウドファンディングでの資金調達上限が107万ドルから500万ドルに、Tier 2 Regulation Aにおける上限も5,000万ドルから7,500万ドルへと引き上げられた。さらに、Rule 504 of Regulation Dにおいても、上限額を500万ドルから1,000万ドルへと引き上げた。
Regulation Crowdfunding(株式投資型クラウドファンディング)は、クラウドファンディングを通じて証券の募集を行うことを可能とする規制。
Requlation Aは、通常のSEC登録の費用を負担することができない中小企業を対象に、非認定投資家が公募に参加することを可能にする規制。Regulation Aは二つの区分(Tier 1とTier 2)がある。
(以前の規定では)Tier 1では12ヵ月間で最大2,000万ドルまで証券の発行が可能で、Tier 2の場合は12ヵ月間で最大5,000万ドルまで証券の発行が可能となる。
証券の発行額が2,000万ドル以下の場合、企業側はTier 1とTier 2の中から、どのルールの下で公募を行うか選択することができる。
Rule 504 of Regulation Dは、特別な要件を満たすことなく何人でも投資可能な登録免除を定めた規制。
資金調達額の引き上げに加え、今回ルールが変更されたことにより、投資家とのコミュニケーションに関する規制も簡素化。また、提出書類や適格投資家の投資制限に関する規定の緩和も実施。市場調査やアイデア段階のプロジェクトのプロモーションも行いやすい環境が整備された格好だ。
さらに今後の計画としてPeirce氏は、簡素化された手続で最大25万ドルまで調達できるような、小規模な資金調達を容易に可能とする制度の設置も提唱している。
参考:sec.gov
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