米金融大手フィデリティの仮想通貨企業、アジアで事業拡大へ

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カストディサービスを提供

米金融最大手フィデリティの暗号資産(仮想通貨)関連子会社「Fidelity Digital Assets(FDA)」が、アジアで事業を拡大することが分かった。

シンガポールを拠点にする投資企業Stack Fundsのアジアの顧客が、安全に資産を保有できるようにデジタル資産のカストディ(保管等)サービスを提供。富裕層の投資家やファミリーオフィスの間で高まる需要に応え、アジアにおける仮想通貨に対する関心をさらに高められるように取り組むとしている。

Stack Fundsは従来の金融市場とデジタル資産市場の架け橋になることを目指している投資企業で、ビットコイン(BTC)のインデックスファンドの提供も行っている。

ホームページで掲げた「ベストなサービスプロバイダーを世界から結集させ、顧客の資産を100%安全に守る」との企業理念に基づき、これからFDAのカストディサービスを顧客に提供しながら、毎月監査を行い、顧客資産に保険も適用する予定だという。

Stack Fundsの共同創業者は「資産のリスクを軽減し、FDAがサポートしてくれることをアジアの顧客にアピールする」としている。

FDAの欧州部門のトップは今回のサービスについて、「現地の投資家が何を求めているかを深く理解したプラットフォームを望む声が増えている。こういったプラットフォームは、今までデジタル資産市場で不足していた」と説明。

Stack Fundsの最高執行責任者は「伝統資産の投資家の間でデジタル資産に対する需要が非常に高まっているため、フィデリティのカストディサービスを利用できることを嬉しく思う」とコメントした。

FDAのカストディサービス

フィデリティはFDAを2018年に設立し、他の大手金融企業よりもいち早く仮想通貨業界に進出した。

米国以外にも事業を広げ、2019年にはFDAの英国支社を設立。今年1月には欧州の顧客にBTCのカストディサービスの提供を予定していることが明らかになった。最初の顧客となったのは英拠点の仮想通貨投資会社Nickel Digital Asset Managementで、コールドウォレットを用いたカストディサービスを提供すると説明している。

また今年の7月にはカストディ企業キングダムトラストが、同社の個人退職口座(IRA)サービス「チョイス」において、FDAが提供するコールドウォレットでBTCの保有が可能になったことを発表。

チョイスのポートフォリオにBTCを組み込む場合、その保管先としてFDAを選択できるようになった。

参考:ブルームバーグ

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