イーサリアム2.0、ステーキングの課題に増大するDeFiの存在感|ConsenSysレポート

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コンセンシスのDeFiレポート

コンセンシス(ConsenSys)は、DeFi(分散型金融)の第3四半期レポートを公表した。

レポートでは、Compoundのガバナンストークン配布などをきっかけの一つとしてDeFiが盛り上がりを見せたQ3を振り返っている。また、来たる大型アップデートである「イーサリアム2.0」について、新たな懸念点が指摘されていることについても言及した。

レポートでは、今期のDeFiを4つのトレンドキーワードで表現した。それは、「AMM」、「ガバナンストークンとイールドファーミング」、「フォーク、デリバティブ、ネットワーク効果」、「奇妙なDeFi」というものだ。

AMMとは、オート・マーケットメイカーの頭文字であり、注文を約定させる役割を自動化させたものだ。AMMプラットフォームのユーザーは注文を出せば約定されるが、その裏に注文を一手に引き受けるような集権的な存在はいない。レポートによると、Uniswapを含めたAMMプロダクトが現在、DEX市場の9割以上を占めているという。

「フォーク」については、SuhiSwapやCREAMといった主要なDeFiプロトコルからフォークして生まれたプロトコルを。「奇妙なDeFi」については、インターネット文化とリンクし、インターネット・ミーム(Internet meme)などがDeFiと結びついた経緯などについて解説している。また、コンセンシスが以前、重要性を指摘していたDeFiにおけるUX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性について、レポートでは、yearn.financeなどが、ユーザーエクスペリエンスにフォーカスしたプロダクトであるとして評価されている。

イールドファーミングについては、以下の記事で詳しく解説している。

イーサリアム2.0に新たな課題

一方、DeFiが想定以上の盛り上がりを見せていることで、新たな課題が登場しているとレポートでは指摘された。それは、イーサリアム2.0のステーキング開始において、これらのDiFiプロダクトが障害になり得るというものだ。

イーサリアム2.0では、イーサリアムのコンセンサス・アルゴリズムについて、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行が行われる。PoSでは、イーサリアムを一定量保有している人がステーキングを行いネットワークに貢献することで、報酬を得ることができる。

しかし、現在、DeFiにおいてガバナンストークンの配布などによって、より魅力的なリターンを提供するプロダクトが出現しており、そういったより大きなリターンをもたらすプロダクトにイーサリアムが移動、結果としてイーサリアムのステーキングが集まりにくい状況が発生し得るという予見だ。

レポートによると、このイーサリアム2.0(フェーズ0)は今年度中にもローンチされる可能性が高いという。

イーサリアムを預ける(バリデータになる)ことで得られる報酬がどれほどになるかの正確なパーセンテージは固定値ではなく、他のDeFiプロトコルが、より高いリターンを提供する可能性もあり得る。

レポートでは、多くのファクターが決断に関わってくることから、「時間だけがイーサリアム保有者の選択を明らかにするだろう」という表現にとどめている。

参考:ConsenSys

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