ZcashがDeFiを利用可能に
暗号資産(仮想通貨)のZcashがイーサリアムネットワーク上のサービスで利用可能になる。
デジタル資産の発行等を手掛けるTokensoftとカストディサービスAnchorageが提携。イーサリアムネットワーク上で、他のブロックチェーン上の暗号資産を利用可能にするサービスの提供を開始した。
サービス第一弾となるのがWrapped Zcash(WZEC)で、プライバシーを重視するZcash(ZEC)を表すトークンをイーサリアム上に発行することが可能になる。
WZECによって「ユーザーは様々なDeFiアプリケーションにおいてZcashを使用することが可能になる」とTokensoftのCEOであるMason Borda氏は公式ブログ上で語った。
また、AnchorageのCEOであるNathan McCauley氏は以下のようにコメントしている。
新たな流動性のソースをDeFiにもたらすことで、レイヤー1のプロトコルを独自たらしめるそれらの機能から、ユーザーは恩恵を受けることが可能となる。
Zcashは最初のサービスであり、他にもHandshake、Avalanche、Celoについてラップド・サービスの提供を考えているとしている。
ラップド・トークンの需要
今回のWZECのような、いわゆるラップド・トークン(Wrapped Token)は、スマートコントラクトなどを用いて、元の仮想通貨をロックアップして、ロックした額と同等分のラップド(Wrapped)されたトークンを目標のブロックチェーン上で発行するという仕組みになっている。(カストディを用いて中央集権的に行われる事例もある)
ユーザーとしては、現金を銀行に預け、現金のままでは支払いのしようがないネットショップ等の決済を行うものと近い利用体験になる。
目標のブロックチェーンはイーサリアムであることがほとんどで、イーサリアムのエコシステムで提供されている多様なサービス(DeFi等)を利用するためにこのラップド・トークンの仕組みが使われるケースが多い。
特に時価総額などの観点からも、ビットコインのラップドトークンの需要はDeFiでも高く、実利用が進んでいる。
WZECでは、Tokensoftの開発したスマートコントラクト標準であるERC-1404をもとにしたスマートコントラクトが使われている。
ZECの保有者は、ZECの特徴であるプライバシー重視の姿勢を犠牲にせず、分散型アプリケーションを利用でき、イーサリアムを受け入れているウォレットや取引所との統合が加速すること、がメリットとして挙げられた。
参考:Medium
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