仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
21日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比+2.25%の126.3万円(12,000ドル)を回復した。
12,000ドルの心理的節目は、売り圧の強まりやすいレジスタンスラインであり、チャートが崩れれば大きな反落も想定される。下落した場合は①の11,100ドルの下値支持線における攻防が注目される。
一方、今年8月の上昇トレンドのピークで記録した年初来高値12,500ドルをブレイクすれば、19年の最高値14,000ドル(②)、あるいは17年に打ち立てた過去最高値である1BTC=20,000ドルに向けて高騰する可能性も考えられる。
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、世界経済の不確実性が不安視されるなか、ビットコインへの大口の資金流入も観測されており、クジラの生態として看過できない。
直近では、Twitterのジャック・ドーシー率いるSquare社が、自社ポートフォリオの1%に約4,709BTCを組み入れたことを発表。ビジネスインテリジェンス企業MicroStrategy社は、8月〜9月に計38,250BTC(約450億円)購入したことを発表している。
勢力図に変化
BTCドミナンス急上昇によるビットコインの独歩高は、アルト市場からの資金移動。つまり「アルトドレイン」を示唆している。BTC建てのETHチャートはすでに天井を打ち、下落トレンド入りしていることがわかる。
BTC価格が9300ドル(98万円)台で推移していた6月18日、海外の著名アナリストThe Wolf Of All Streets(@scottmelker)が、ビットコインのドミナンス低下を根拠に、BTCの”支配”が終焉を迎える可能性を指摘していた。
$BTC Dominance
For those of you that believe in charting this thing, it’s dangling on the edge of the precipice. If it breaks down, you know what that could mean?
Something that rhymes with fault reason. pic.twitter.com/eOwwkBTNKS
— The Wolf Of All Streets (@scottmelker) June 17, 2020
しかし今回、ドミナンスチャートの底打ち反転を確認したWolfは、「サポートラインもチェックも済んで綺麗にブレイクしたBTCは、ロケット船に乗り込んだようなもの」と表現した。
歴史的に見ても、仮想通貨市場の循環パターンとして、ビットコイン高騰で投資家の余剰資金が増加すれば正のスパイラルで再び「アルトシーズン」が訪れる可能性がある。ビットコインの高騰は、市場規模拡大フェーズにあたり必要不可欠なシナリオだと思われる。
23万フォロワーを抱える海外の著名アナリストThe Crypto Dog(@TheCryptoDog)は20日、BTC相場のパラボリック的な上昇相場を予見する。
I think we start to go parabolic soon pic.twitter.com/K5skaCcWjh
— The Crypto Dog📈 (@TheCryptoDog) October 19, 2020
イーサリアムのNVTは強気
一方、ブロックチェーン分析企業のSantimentは、ブロックチェーンネットワークにおける「株価収益率」からイーサリアム価格推移を考察した。
これは、ウィリー・ウー氏が考案したNVT(Network Value to Transaction)指標で、各トークンの流通する市場価値を日間取引量で割ることで、取引量に対するネットワークの価値を算出。割安か割高を判定するベンチマークとしたもの。イーサリアムのNVTは、依然として「強気」であることを示している。
また、イーサリアムのクジラ(大口投資家)の中でもTOP10の勢力は、その保有高(資金)を仮想通貨取引所ではなくウォレットに移していることに言及。「過去2か月において、仮想通貨取引所にあるイーサリアムが20.5%減少しており、イーサリアム保有者の信頼を示している。」との見解を示した。
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