ステーキング報酬を得ながらDeFi参加
暗号資産(仮想通貨)DashとStakeHoundの提携により、ユーザーがステーキング報酬を獲得しながらDeFiにも参加することが可能になった。ユーザーにとっては利益獲得のチャンスが増えることになる。
DASH Partners with StakeHound Enabling Ethereum DeFi Users to Earn Rewards with StakedDASH@stakedTokens partners with DASH NEXT and Dash Core Group to offer DASH users access to DeFi applications while earning staking rewards.https://t.co/gdf7I1pxEI pic.twitter.com/c3qWlI8Y12
— Dash (@Dashpay) October 19, 2020
StakeHoundは、PoS(プルーフオブステーク)トークンをイーサリアムを土台とする分散型金融(DeFi)エコシステムの中で使うことを可能にするプラットフォームで、6日には、ネム(XEM)との提携を発表している。
StakeHoundは、イーサリアムのDeFi(分散型金融)エコシステム間の重要なブリッジとして、「stakedDASH」というERC-20トークンを生成。DASHのマスターノードシステムを通じて報酬を獲得できるようになる。
「stakedDASH」の仕組み
stakedDASH」の仕組みとしては、まずユーザーが、Dashトークンを「StakeHound」プラットフォームに預け、機関グレードのカストディアンパートナーが保管することになるという。
すると「StakeHound」は、ERC-20トークン「stakedDASH」を元のトークンと1対1の割合で即座に生成し、ユーザーに送信する。トークンを受信したユーザーは、stakedDASHをDeFiなどのアプリケーションで活用し、貸し借りや取引が行えるようになる。
一方で「StakeHound」は、受け取ったユーザーのDashトークンのステーキングを行い、生じたステーキング報酬を追加の「stakedDASH」としてユーザーウォレットに配布する。「StakeHound」のユーザーは、いつでも「stakedDASH」を元のDASHトークンと交換できるというのもメリットのひとつだ。
「StakedDASH」は公開市場で自由に取引できるため、価格差を利用したアービトラージ(裁定取引)を行ったり、分散型取引所に流動性を提供することで収入を得る「イールドファーミング」を行うことも可能となる。
また、Dashでは報酬を受け取るマスターノードとなるには、通常1000DASH(1DASH=76ドル時、約800万円)の担保が必要となるが、「StakeHound」を介してステーキングすれば、必要金額はわずか1DASH(約8000円)に収まるという。
Dashへの窓口が広がる見込み
提携のメリットはDeFiへのアクセスだけに留まらない。その反対に、DeFiユーザーがDashにアクセスすることもできるようになることで、Dashへの窓口が広がる見込みであるという。
Dash開発を行うダッシュ・コアグループのCEO、Ryan Taylorは次のように話した。
DashがDeFi領域に拡張されることで、新たなユースケースが、Dashユーザーやイーサリアム基盤のERC-20ユーザーにもたらされる。
この機能は、Dashのステーキング報酬を得ながらDeFiの世界を探索したり、DeFiユーザーがDashの世界を探索したりできるようにする。これを機に素晴らしい成果がもたらされることを楽しみにしている。
この発表の後、DASH価格は18%ほど上昇、記事執筆時現在は約75ドルで取引されている。
Dashのプラットフォーム構想
Dashは9月に、アプリケーション開発プラットフォームについての構想を説明する動画を公開。
現在、テスト段階にあるこのプラットフォームは、Dashのセカンドレイヤーでもあり、P2P決済の課題を解決することを目的のひとつとして開発されており、データベースのサービスとして機能することが予定されている。
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