世界経済の行方に再び暗雲
欧米で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)懸念が再び急上昇している。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によれば、15日時店で世界の感染者数は3800万人上回り、米国の感染者は790万人に達した。日本の感染者数は8.5万人前後とされる。
フランスでは、1日あたりのコロナの新規感染者数が初めて3万人を超えた。首都のパリなど9都市に対し夜間外出禁止令が掛かり、違反すれば135ユーロ(約1万7千円)の罰金を科すという。
経済優先の規制緩和が裏目に出たとされる欧州では、今春以来の医療崩壊への懸念が強まっている。
イギリス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポーランドでも非常事態宣言など規制が発令されたが、強い第2波に直面するなか、都市封鎖(ロックダウン)は経済へのダメージが大きく、難しい舵取りを迫られる。
このような状況にある中、16日の東京株式市場は警戒感から売り優勢で始まった。米国の追加経済対策への思惑が下支えとなっているとみられる。米ダウ市場やドル円の値動きは、ゴールド(金)相場やビットコイン相場にも影響を及ぼすことから、株式市場がリスク選好からリスク回避に傾けば、連動して売られることも予想される。
過去最大の模金融緩和など各国が手厚い対策を打ち出していることから、直ちに今年3月のような「〇〇ショック級」のパニック売りにまで至ることは考えにくいが、11月3日の大統領選前後に相場が荒れる可能性は大いに考えられる。
ビットコイン動向
16日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+1.17%の121.2万円(ドル)に。続落を拒否して体制を立て直した。
滑落した場合、11,100ドルラインが下値支持線として機能するかどうかは、今後を占う上で試金石となりそうだ。
ビットコイン供給が枯渇する可能性を指摘
米大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールが第3四半期(Q3)レポートを公開。提供する仮想通貨関連の投資信託に計10.5億ドル(約1103億円)が新たに流入したことを報告した。
グレースケールへの年間投資額はすでに24億ドルに達している。これは、グレースケールが設立された2013年から2019年までの累積流入額12億ドルを大幅に上回る。
経済の不確実性が高まっていることが背景にあり、デジタル資産のエクスポージャーに対する持続的な需要を示している。
仮想通貨投資ファンド10T Holdings社の創設者であるDan Tapiero(@DTAPCAP)は、「このままいけば、グレイスケールを介してビットコイン供給が枯渇する可能性がある。新たに採掘されたビットコインの内77%という現在の数値がさらに増加すれば、ショーターは一巻の終わりだ。」などと指摘した。
SHORTAGES of #Bitcoin possible.
Barry’s @Grayscale trust is eating up btc like there is no tomorrow.
If 77% of all newly mined turns into 110%, it’s lights out.
Non-miner supply will get held off mkt in squeeze.
Shorts will be dead. Price can go to any number. pic.twitter.com/4S4TrLNH8J
— Dan Tapiero (@DTAPCAP) October 14, 2020
グレースケールのビットコイン購入額は、2020年第3四半期に採掘されたBTCの77%に相当するとされる。
なお、ビットコイントラスト以外の金融商品比率は全体の31%を占めており、ライトコイン(LTC)とビットコインキャッシュ(BCH)は第3四半期にかけて前期比で平均1,400%増と急増している。
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