Chainalysisが注意勧告
ブロックチェーン分析会社大手のChainalysisは5日、同社の顧客である取引所などに対し、暗号資産(仮想通貨)デリバティブ大手BitMEXはリスクの高い取引所であるとの注意勧告を行った。
コンプライアンスツール「Chainalysis KYT(Know Your Transaction)」を利用する政府機関や銀行、取引所を含む顧客が、BitMEXからの送金を監視できるようにする目的で、高リスクとみられる取引に対してアラートも設定する。今後、段階的に過去の送金にも対応し、疑わしい取引の判別をしやすいようにする。
今月初め、マネーロンダリング対策(AML)や本人確認(KYC)など米国の規制に従わずに運営を行ったとして、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)が、BitMEXや同社のアーサー・ヘイズCEOらを告発。BitMEXのSamuel Reed共同創業者(CTO)が拘束されたことも分かっており、市場への影響や今後の行方を業界が注視している。
Chainalysisは顧客に対し、「告発以降の送金はリスクが高いと考えるべきだ。またコンプライアンスチームは過去の送金についても、振り返る必要がある」という内容のメールを送信した。
Chainalysisの担当者は、1つの企業やその所有者、運営者、幹部が告発された場合は、顧客を守るために、その企業をリスクが高いとみなすと説明している。
注意勧告の影響
今回の注意勧告は、業界に与える影響が大きいと指摘する声が上がっている。
英仮想通貨取引所LMAX Groupのトップは、BitMEXで取引を継続したいと考えている大手の機関投資家はいないと説明。今回の注意勧告は連鎖反応を促すとの見解を示した。デリバティブトレーダーからは、Chainalysisの警告は「BitMEXの終焉の前兆である」という声が上がった。
実際にBitMEXでの取引を避けようとする動きは高まっており、データ分析会社Arcane Researchによれば、BitMEXのビットコインデリバティブの未決済建玉(OI)は、今月2日以降16%減少している。市場がBitMEXのサードパーティリスクを警戒している。
BitMEXの担当者は今回の件について、以下のように説明した。
今回の注意勧告は認識しており、現在Chainalysisと協議をしている。
その間もBitMEXのプラットフォームは通常通り稼働しているし、資産も安全な状態だ。
出金の処理も通常通り行っている。
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