トランプ大統領、回復へ
5日の米株式相場は反発。新型コロナウイルスに感染して入院中のトランプ米大統領が退院すると伝わったことや、追加経済対策を巡る協議進展への期待で楽観的な見方が広がった。
NY株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末比で465ドル83セント高(1.7%)の2万8148ドル64セントで、2万8000ドルを回復。S&P500種は、前週末比1.8%高の3408ドル60セントと上昇した。
新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領は、自身のTwitter上で退院を発表。ツイートでは、米ギリアド・サイエンシズが開発した新型コロナの抗ウイルス薬である「レムデシビル」治療薬の有効性も世界に向けてアピール。新型コロナに打ち勝ったとして、「必要以上に恐れることはない」と強調した。
I will be leaving the great Walter Reed Medical Center today at 6:30 P.M. Feeling really good! Don’t be afraid of Covid. Don’t let it dominate your life. We have developed, under the Trump Administration, some really great drugs & knowledge. I feel better than I did 20 years ago!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 5, 2020
陽性発表時には、先行き不透明感を嫌気してダウが急落するなど市場の混乱やホワイトハウスの機能停滞が懸念されていたが、病の峠を越えたことで市場に安堵感が広がった。
ビットコイン動向
6日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比+0.73%の113.7万円(10765ドル)に。
海外アナリストのil Capo Of Crypto(@CryptoCapo_)は、ビットコイン先物の資金調達率(funding rate)に注目。このまま11,000ドルをブレイクするなら、溜まったショートポジションのカバーを伴う踏み上げが起こる可能性を示唆した。
ファンディングレートとは、ポジション保有コストのことを指しており、ポジションを保有し続ける限り掛かるコストのこと。ファンディングレートを確認することで、投資家の保有ポジションが、買いか売りかに大きく傾いていることが把握できる。
伝統的なアセットクラスでの先物価格は、おおまかに示すと「現物価格-保有期間の収入(配当金等)+金利等の調達コスト」という計算式となっており、仮想通貨の先物価格は「現物価格」と相場の需給を表す「ファンディングレート」の2点から成り立っている。ファンディングレートが大幅プラスの時はロングポジションにマーケットが傾いており、大幅マイナスの時はショートポジションに大きく傾いていることを示唆している。
BitMEX先物に異変
一方、ビットコイン先物市場では、異変も起きている。
仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXの原資産に対する先物価格乖離(プレミアム)が続落。ほぼゼロ乖離を記録した。先物市場では需要に応じて高いプレミアムが発生することから、先物を取引する投資家が同社の「財務健全性リスク」を懸念していることを示唆している。
これは、日本時間2日に判明した、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)が、BitMEX及び、アーサー・ヘイズCEOらを告発したことが発表されたことに起因しており、その後同取引所からビットコインの出金が続いている。
ブロックチェーン分析会社Chainalysisのチーフアナリストによると、問題が発覚した1日(日本時間2日)以降に出金された仮想通貨は、約42,000BTC(460億円相当)に及んだ。
Since 17:00 UTC yesterday, 41,838 bitcoin has been withdrawn from BitMEX in 4,547 transfers. Half of the transfers were for 0.25 bitcoin or less, and the largest 1% of transfers accounted for 63% of the bitcoin withdrawn. So Many small traders and a few large players withdrew. pic.twitter.com/nxweCwUl42
— Philip Gradwell (@philip_gradwell) October 2, 2020
今回の告発では、BitMEXの「米国法逃れ」が指摘されており、すでにSamuel Reed共同創業者(CTO)が拘束されていることから、問題の長期化が懸念され、同社に資金を預けていた顧客離れが加速したものと思われる。
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