ビットコインは価値の保存手段へ
すでに供給されている暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のうち、1年以上保有されたままになっているBTCが63.5%に達したことが分かった。
分析企業Coinmetricsが公開したウィークリーレポートで明らかになった。この割合は2010年以降で最も高い数値となっており、価値の保存手段として、BTCの長期保有傾向が強まっていると説明している。
DeFi(分散型金融)の人気の高まりで、イーサリアム(ETH)やDeFi関連銘柄が注目されルことも増えてきたが、BTCは今週、日足の終値を基準として1万ドル(約105万円)を超えた日数が、過去最長の63日に達している。
Coinmetricsは今回のデータの中で、「BTCの1日のアクティブアドレス数が9月25日に114万を超え、過去最高に近い水準を維持している」とも説明している。
一方で送金については、テザー(USDT)を初めとするステーブルコインが増加傾向にあると主張した。これまではBTCの方が利用されていたが、7月以降はステーブルコインが上回った。
それを示したのが以下のグラフ。1週間の平均送金額を示しており、BTCがオレンジ、ステーブルコインが緑で表されている。
Coinmetricsは、DeFiの活況によって、「米ドル」にペッグされるなどして価格変動の少ないステーブルコイン需要が高まったと説明。ステーブルコインは価値の移動に、BTCは価値の保存に利用されているとした。
DeFi成長の軌跡
今回Coinmetricsは、DeFiに関するデータも公開した。DeFi基盤としてETHのネットワークがどのように成長したか、また4種類のDeFi関連銘柄がETHの価格にどう影響を与えたかを分析している。
以下は、対象の4銘柄のローンチ時期とETHの価格推移を組み合わせたグラフだ。今夏のETHの強気相場は、DeFiプラットフォーム「Yearn.finance」のガバナンストークン「YFI」のローンチ(7月18日)をきっかけに始まったと説明している。
その後8月末には分散型取引所Uniswapの出来高が過去最高値を記録。大手取引所コインベースのプロトレーダー向けプラットフォーム「Coinbase Pro」を超えるなど、ETHネットワーク上における取引は増加し続けた。
CoinmetricsがDeFi成長の結果と捉えているのが、ETHをERC20トークン準拠の規格でトークン化した「WETH(Wrapped ETH)」の増加だ。以下はWETHの供給量の推移と上述した4銘柄のローンチを組み合わせたグラフ。こちらもYFIのローンチ後に急増した。
参考資料 : Coinmetrics
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