NY司法当局、テザー社の財務記録提出の遅れに焦燥感か

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NYAG、テザー社が立場の文書を提出

テザー社の財務記録提出を巡り、9月17日に予定されるニューヨーク裁判所との協議会に向けて、ニューヨーク司法当局(NYAG)およびテザー社側は、各自の立場を説明する文書を提出したことがわかった。

NYAGは先週、テザー社およびBitfinexと関連する8.5億ドルの不正融資疑惑に対し、テザー社に財務記録を提出するよう裁判所に申請を提出した。

NYAGは文書で、テザー社らが今後2ヵ月間で財務記録を用意し、NYAGに提出する必要があるとしている。財務記録の提出が求められてからすでに17ヵ月が立っているにもかかわらず、テザー社側が提出命令に応じていないことを受け、焦燥感も見られる。

テザー側は、管轄に関する書類は提出していたが、提出命令に含まれている財務記録等重要な情報は提出していない。このような再三の「遅延」は止めなければいけない。

NYAGは、テザー社60日の期間内に指定の書類を提出すること、および90日間Bitfinexに融資できないこと(差し止め)を求めている。

ーNYAGのJohn Castiglione代表弁護士

テザー側の立場

テザー社側も立場を説明する書類を提出した。

代表弁護士のCharles Michaelは、NYAGの要求に対し、財務記録の提出における範囲が広すぎて、限定される必要があると主張。融資の差し止め期間の延長に反対している。

NYAGの主張する財務関連疑惑からおよそ17ヵ月が経過しているが、テザー(USDT)に対する需要は減少することなく、時価総額は6倍まで増加した。(したがって、米ドルにペッグされたステーブルコインとして、市場からの信頼を示している)

ーMichael

USDTは先日、価総額140億ドル(約1.5兆円)に到達した。8月15日に初めて120億ドル(約1.28兆円)を突破するなど、特にDeFi市場の急成長や中国市場からの需要が反映されている。

具体的な書類提出

NYAGが求めているのは、1週間以内に顧客のUSDT購入詳細、米ドルの出金のリクエスト詳細、税金関連書類および会計情報を提出することだ。

また、30日以内に、テザーの融資、サードパーティへの融資、Crypto Capitalに出資した米国やNY州の顧客リストを提出し、60日以内に、2018年に裁判所が出した召喚状と2019年にNYAGが提出した申請書に関連する書類を含む「完全なる情報」をすべて提出するよう、求めている。

テザー側のMichael弁護士はNYAGの要求について、質問に答えられる会計など一部の内容について、時間を要して作成する必要があり、30日〜60日の期間では不十分だと指摘した。

また、NYAGが求める書類の範囲は当該する管轄を超えており、関連性の低い書類の作成が必要以上に負担がかかってしまうとし、裁判所が範囲を制限するよう求めている。

さらに、NYAGが設けようとする期限についても反対し、30日間を書類範囲の協議に当て、同時に係争対象外の書類を作成することを提案した。

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