仮想通貨市場とビットコイン動向
14日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比-0.96%の109.8万円(10330ドル)に。
バイナンスコインが急進
バイナンスコイン(BNB)が、coinmarketcapの時価総額6位まで急浮上している。
「Binance Launchpool」の発表に伴い、18.25ドルの安値からわずか2時間で19ドルから22ドルまで上昇し、その後年初来高値を付け一時32ドルに到達した。
ATHは、19年6月の上昇トレンド&IEOブームで記録した43ドルとなる。
高騰の背景には、投機筋を中心に関心高まるDeFi(分散型金融)のステーキング需要がある。
バイナンスは6日、新たなプラットフォーム「ローンチプール(Launchpool)」を発表した。BNB、BUSDおよびその他のトークンといった保有資産を預け入れるトークンのステーキングで収益を得る「イールドファーミング」を提供するものだ。
Launchpoolでホストされる最初のプロジェクトは、Bella Protocol(BEL)となっている。
イールドファーミングとは、需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、最も大きなリターンを得る取り組みのこと。流動性マイニングは、イールドファーミングを行う投資家を引きつけるため、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)が付与されることを指す。
バイナンスブログによれば、9月10日時点で、ロックされたトークンの合計は6億2800万ドルに達し、内4億2000万ドルがBNBとなっている。
バイナンスの動きの背景には、昨今のDeFiブームと一定の危機感があるようだ。
DeFi(分散型金融)の台頭及び資金流出は、バイナンスのような主要取引所を含む、CeFi(集権型金融)の流動性低下につながりかねない。
一方で、バイナンスはJustSwapの独自トークンJST、YFII、およびその他複数DeFi関連銘柄を相次いで上場させるなど、潮流に乗る方針に舵を切っており、このようなCZ率いる前衛的なスタンスや世界最大の取引所ならではの出来高もBNBの強さを後押ししているものと思われる。
これに先駆け、1日には、「Binanceスマートチェーンプラットフォーム」を立ち上げた。
バイナンススマートチェーンには、ETH(イーサリアム)独自の仮想マシン「Ethereum Virtual Machine(EVM)」と互換性のある環境が用意されており、Solidity開発者は円滑に新しいチェーンに移行することができるほか、独自トークン標準「BEP2」の銘柄との相互送金(クロスチェーン機能)を可能にする。
バイナンススマートチェーンのホワイトペーパー(事業計画書)は、今年4月に発表された。
独自ブロックチェーン第一号として稼働する「バイナンスチェーン」とは異なり、スマートコントラクト(dApps)および仮想通貨BNBのステーキングを実装した仕様となる。
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— Binance (@binance) September 11, 2020
バイナンスはこの他、「Binance Smart Chain」を採用するDeFi(分散型金融)の一部のプロジェクトに助成金を付与するプログラム「1億ドル助成金ファンド(100億円規模)」を発表した。
セキュリティ監査およびデューデリジェンスプロセスを満たしたプロジェクトに、トークンの流動性サポートだけでなく、顧客ベース・メディアサポート・デリバティブ・ファイナンスマネージメントなどを含む幅広いバイナンスのエコシステムへのアクセスも提供。一部の「質の高い」プロジェクトは、バイナンス取引所に新規上場し得るという特典も付くとしている。
DeFiの興隆が中央集権型取引所にとって顧客が離脱するリスクと懸念される一方で、バイナンスは同プログラムを通じて、CeFiがDeFiへのブリッジになることを目標にしているとした。
このような流れを受け、業界関係者は一様に強気姿勢を示す。
暗号資産(仮想通貨)分析会社Messariの元プロダクト責任者Qiao Wang(@QwQiao)は、「分散型金融(DeFi)市場は、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)をの黎明期を彷彿とさせる。(よほどの過ちが判明しない限り)10年に1度の投資機会になり得る。」と述べた。
BTC価格が約100ドルだった2013年にファンドを立ち上げたPantera Capitalの最高経営責任者ダンモアヘッドは、 DeFiはBTCに比べてまだまだ過小評価されていると指摘する。
「ビットコインの時価総額は2500億ドルだが、DeFi市場の時価総額は40億ドルに過ぎない。」
一方で、先日のSushiプロジェクト騒動のように未成熟な市場ゆえの混乱も発生しており、市場からはDeFiバブル崩壊を懸念する声も散見される。
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