アフリカ、ビジネスでのビットコイン利用事例が増加傾向=ロイター報道

Blockchain

不安定な自国通貨

アフリカで、ビットコインが実際に使用されるケースが増えつつあるという。ロイター通信が報じている。

ロイター通信の取材によれば、アフリカでローカルビジネスを行う人の中でビットコインを決済に使用する人が増加しているという。

記事内で取り上げられているナイジェリアに住む男性は、携帯電話やそのアクセサリーをサプライヤーから買う際に、仮想通貨で支払いを行っている。

支払いを仮想通貨に切り替えたことで、米ドルを買い、送金業者に手数料を払う必要もなくなった。結果的に利益が増えたと取材に対し明かしている。

仮想通貨の受け入れが一部で進んでいる背景には、不安定な自国の経済状況と、それに追い打ちをかける新型コロナウイルス感染拡大の影響がある。ナイジェリアの自国通貨、ナイラは原油価格の下落や新型コロナの影響で、今年に入り既に複数回、通貨切り下げが行われた。

ドルなど海外との取引で使用できる通貨を入手するためには、自国通貨のナイラをより多く支払う必要があることを意味する。ビットコインの利用がアフリカ地域の中でも盛んな南アフリカもまた、自国通貨が安定していないという同様の事情がある。

ロイター通信は独自に入手したデータや取引所、仮想通貨ユーザーへの取材により、「アフリカで静かなビットコインのブーム」が来ているとしている。

チェイナリシスもレポート

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシスは、アフリカの仮想通貨事情に関するレポートを公開した。

レポートからも、アフリカでビットコインを含めた仮想通貨のやり取りが増加していることが浮かび上がってくる。

下のグラフは主要30仮想通貨のアフリカからの送受金額、その件数を表している。アフリカからの送金、受金がともに増加していることが見て取れる。

出典:Chainalysis

また、仮想通貨の人気が、自国通貨の不安定さに連動していることを示すデータもでてきた。

出典:Chainalysis

グラフでは、南アフリカの通貨、南アフリカランドと米ドルの為替レートと、南アフリカでのビットコインのP2P取引の取引ボリュームを示している。

為替レートが上がる(南アフリカランドの価値が下がる)につれて、ビットコインの取引量も増えていることが分かる。

チェイナリシスは自国通貨の価値の変動が激しい国で、「仮想通貨がより安定した価値の保存方法として機能しうる」ことが示唆されるとしている。

参考:Chainalysis

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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