ウィンクルボス兄弟がBTC価格を予想
米仮想通貨取引所Geminiを運営するウィンクルボス兄弟が、ビットコイン(BTC)の価格が長期的に50万ドル(約5200万円)に達する可能性があるとの見解を示した。
価値の保存手段という観点から、米ドルや原油、ゴールド(金)の問題点を指摘し、BTCの優位性を説明。BTCの需要が高まり、現在のまま時価総額が増加していけば、50万ドルに達する可能性があると述べ、最終的にインフレヘッジとして利用できるのはBTCだけだと主張している。
ウィンクルボス兄弟は27日に連名でブログを投稿した。まず米ドルについては、コロナ禍の景気刺激策のために大量に供給が続いていることを指摘。米政府が内部で借金し合っている現状と合わせ、最終的にインフレにつながると見ている。
またコロナ対策で、今年はGDP比の債務が過去10年で最も膨らむと予想。米国がソフトデフォルトに陥る可能性も指摘した。
原油については需給バランスの問題を指摘。コロナ禍で経済活動が制限され、需要が激減した事例を挙げている。原油を保管しておくこと自体は問題ではないが、需要が激減すると、保管用のインフラが不足する。
今年4月にはNY原油市場で、83年の先物上場以来初めて、原油先物の価格が0ドルを割りこみ、マイナス価格を記録。現物を引き取りたくない投資家を中心に、損失を覚悟した売りが広がった。
技術の進歩で供給が増加した反面、原油は突然、大幅に需要が減少する事態に弱いことを根拠に、ウィンクルボス兄弟は信頼できる価値の保存手段ではないと述べている。
ゴールドについては、現在信頼できる価値の保存手段とみなされ、インフレヘッジとして活用されているが、商業目的の採掘が続くと、その地位も危うくなると主張。また特にコロナ禍のように行動が制限されると輸送ができなくなる問題を指摘し、供給量が正確に把握されていないことも欠点に挙げている。
ブログにはゴールドとBTCの特徴を比較した表も掲載した。
BTCの優位性
兄弟は、こういった問題を解決できるのがBTCだと主張。ただ供給量が少ないだけでなく、その供給量があらかじめ決められ、固定されている唯一の商品(コモディティ)だと述べている。
現金のように供給過多に偏ることもなければ、インターネット上でやりとりされるので保管や輸送に困ることもない。
ウィンクルボス兄弟は、ゴールドの時価総額を9兆ドル(約948兆円)と計算。BTCの時価総額は現在2000億ドル(約21兆円)超だ。
ブログでは「BTCが現在のまま成長していけば、ゴールドと同様に計算すると、現在の45倍の価格になる」と説明。それが長期的に50万ドルに達するとする根拠である。詳しい説明はないが、現在ゴールドの時価総額がBTCの45倍のため、BTCの時価総額はいずれゴールドの時価総額に達するとみている模様だ。
また上記に加え、各政府が外貨準備金の一部をBTCに替えるような動き(可能性)があれば、BTCは60万ドル(約6320万円)に達する可能性もある、と強気な姿勢を見せた。
参考資料 : Winklevoss Capital
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