コロナ禍に乗じ対外戦略を進める習近平

中国・武漢で新型コロナウイルスの感染確認が相次ぎ、世界中を恐怖のどん底に陥れたのは今年初めだった。あれから半年が経ち、全世界の累計感染者数は約1400万人、死者数は約60万人にも達している。米国やインドなどの新規感染者数は過去最多を更新し、いまだ猛威は収まる気配を見せてはいない。その一方で、感染が収束傾向にある「震源地」の中国は、その反省も責任も感じていないばかりか、むしろコロナ禍を契機として自国に有利な対外戦略を進めているというから腹立たしい。南シナ海や沖縄県・尖閣諸島周辺で挑発を繰り返す姿はドラえもんの「ジャイアン」そのものだ。本性をあらわした中国になめられる前に日本がとるべき行動とは——。

釣魚島沖の領海を巡視している中国海上保安庁の海上巡視船
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「各国が新型コロナ対応に注力する中、周辺国から反発を招いている」

7月14日に閣議に報告された2020年版防衛白書は、コロナ禍を契機とした中国の動向について「自らに有利な国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した国家間の競争を顕在化させ得る」と警戒感をあらわにした。「社会不安や混乱を契機とした偽情報の流布を含む宣伝工作なども行っていると指摘される」とも記載し、米人気ドラマ「24」もびっくりのメチャクチャぶりを発揮している中国への強い反発がうかがえる。