なぜこんなに株価が上昇しているのか

なぜ、こんなに株価が上昇しているのか? 世界中の経済指標が悪化し、実体経済は大きな打撃を受けているにもかかわらず、NYダウ、日経平均ともにコロナショック前の高値まで約8割戻しています(6月5日時点)。現状の株高と実体経済の乖離かいりの“不思議”から、多くの人からこの疑問について連日、質問を受けています。そこで、今回、乖離の原因は何なのかを追求し、この乖離にはどのようなリスクが潜んでおり、何に気を付けて判断をするべきなのかをお伝えいたします。コロナショックで仕込んだ多くの個人投資家は次のシナリオを考える必要があります。

コロナウイルスと株価チャート
※写真はイメージです

株高となっている最大の理由は、アメリカの無制限の金融緩和と米連邦準備制度理事会(FRB)によるジャンク債の購入です。実は、リーマンショックの時を振り返ると、当時、世界第3位の投資銀行が倒産した際、リスクを取り過ぎたために破綻しただけと、「単なる一企業の倒産」としてFRBは“即座に”危機対応をしていなかったのです。しかし、当時のFRBが想定もしていないほど、この倒産は世界中大きな衝撃を与え、立ち上がるのに時間を要したのです。