アルゼンチンで違法取引の取り締まり強化
アルゼンチン政府が仮想通貨(暗号資産)の違法取引の取り締まりを強化していることがわかった。
地元メディアEl Cronistaによると、金融情報局(FIU)は資金洗浄等の違法行為を抑制するために、国内の仮想通貨取引への管理をより厳格化している。FIUの責任者Carlos Alberto Cruzは、「直近、我々は仮想通貨に対する法的執行を強めている」と語り、利用者が仮想通貨を通してアンチマネーロンダリングの国際ルールから逃れようとしていると指摘した。
具体的には、仮想通貨取引に関わる個人や企業の情報を集めるために、クレジットカード会社や取引所、ブローカー、投資信託企業を含む金融機関に異常取引等の行為について報告を要求している。画廊やスポーツリーグなども仮想通貨の資金洗浄の可能な対象として、監視を強化するという。
仮想通貨取引への取り締まりを強化する背景としては、同国の国内経済情勢に際し活性化した外貨取得手段として、仮想通貨が注目されたことに関連したものである可能性も指摘されている。
深刻な国内経済情勢に直面するアルゼンチンは22日、最終期限だった約5億ドル(約538億円)の国債利払いに応じなかったことで、2014年以来9度目のデフォルト(債務不履行)状態となった。農業部門の低迷や通貨急落に苦しんでおり、新型コロナウイルスの流行が追加の打撃となっている。
外貨取得の制限については、昨年10月に、個人が購入できる米ドルに毎月200ドル(約2万2千円)の上限を課している。仮想通貨については、ペソからの資本逃避を防ぐために、クレジットカードによる仮想通貨の購入禁止を発表している。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用