仮想通貨に投資しない理由
米投資企業「Pershing Square Capital Management」の最高経営責任者(CEO)で、億万長者の著名投資家William Ackman氏(通称Bill Ackman)が、暗号資産(仮想通貨)には投資しない意向を示した。
すでに仮想通貨が普及していることは認め、新たなビジネスチャンスを生んでいることは本当に興味深いと説明。しかし、ビットコイン(BTC)もその他の銘柄も、投機対象の資産だとする考えを示し、「人が買った仮想通貨を、誰か他の人が購入することができるということ以上の価値はない」と語った。
Ackman氏は今月、「Wall Street Journal」のインタビューでも仮想通貨投資に否定的な意見を語っている。仮想通貨には本質的な価値がないと主張。本質的な価値を「現金創出が行えること」と考えており、Ackman氏は、仮想通貨は投機対象で、そのような資産になっていないと見る同様の見解を示していた。また同様の理由で、ゴールド(金)にも投資していないと語っていた。
一方で上述した通り、完全に仮想通貨を否定しているわけではなく、今回の動画では「現在でも知識を広げている」と説明。投資はしていないとしながらも、関心のあることの一例として、ブロックチェーン技術でP2Pワイヤレスネットワークを構築するHeliumのプロジェクトを挙げた。
公式ホームページによるとHeliumは、CEOのAmir Haleem氏らが2013年に創設。デバイス同士の接続を容易に行えるようにすることをミッションにしてプロジェクトを立ち上げた。以前は「Google Ventures」の名で知られたGVらが出資している。
仮想通貨の評価
2020年から大手企業が資産として購入する事例が少しずつ増え、機関投資家からも関心が高まっている仮想通貨だが、見方は様々だ。
昨日には億万長者投資家のCarl Icahn氏が、仮想通貨業界に10億ドル(約1,100億円)の資金を投入する考えを持っていることが分かった。
ブルームバーグのインタビューで、「現時点では仮想通貨を購入していないが、ビットコインやイーサリアム(ETH)など、業界全体について理解を深めている」と説明。自身が創業したアイカーン・エンタープライズを通して、どのように関与するか検討段階にあるなどと明かしている。
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