上昇続くバイナンスコイン新高値50ドル台へ、XRPは暴騰・暴落で巨大な上髭

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仮想通貨市場動向

1日の仮想通貨市場では、XRP(リップル)が0.75ドル(77円)台まで暴騰後に暴落、一時35円台まで下落した。一部の米投資家グループを中心として、群集心理を巧みに利用したパンプ&ダンプが行われたものとみられる。

発端となったのは、米大手SNS「Reddit」の個人投資家グループWallStreetBets(WSB)が、ゲームストップ株(GME)に空売りを仕掛けていたヘッジファンドを大きく踏み上げ、巨額損失を計上させたことにある。

個人投資家集団が莫大な資金力を持つ機関投資家を破綻寸前まで追い込むという動きは、日米マスメディアでも驚きをもって報じられ、他の株や銀(シルバー)など、さまざまな金融商品にも波及した。手数料無料かつ単元未満取引可能な米株取引アプリ「ロビンフッド」のユーザー数急増に伴い、昨年のテスラ株高騰などを引き起こしたとする論調は記憶に新しい。

このような流れに伴い、WSBのクリプト版と目される「r/SatoshiStreetBets」が狙いを定めたのが、米証券取引委員会(SEC)にRipple社が提訴されたことで暴落していたXRP(リップル)だった。

SatoshiStreetBetsは1月末、各国のタイムゾーン(日本時間1日22時半)を明記したチャート画像と、購入&保有(≒パンプ)を呼びかける専用のテレグラムグループをRipple社の反論提出タイミングに合わせるようにして拡散。これが一要因となり、未曾有の相場につながったとされる。

しかし、その後は急騰の反動で暴落。大方の予想通り、仕手筋に売り抜けられて崩れた株チャートのような上髭を残したことから、当面は上値の重さが意識されそうだ。

XRP/USD日足

SECの提訴を受け、米国の多くの取引所でXRPの通貨ペアが上場廃止になるなど、「市場流動性」が低下していたことが相場操縦に拍車をかけたとの見方もあり、国内でも一部仮想通貨取引所において、提供する際に契約するカバー先としての流動性供給元(LP)状況などが影響し、取引スプレッド(売買価格の差)や取引サービス提供に影響を及ぼし、市場に混乱を招くなどの場面も見受けられた。

XRP有価証券問題を巡っては、デジタル資産台頭前の古い法律適用を疑問視する声も上がっており、訴訟問題が最高裁判所まで及ぶなど長引く可能性も懸念される。

バイナンスコインが最高値更新

ビットコイン(BTC)が、33,660ドルとほぼ横ばいで推移するなか、最大手取引所バイナンスのユーティリティートークンであるバイナンスコイン(BNB)が、過去最高値を更新。50ドル台をマークした。

BNB/USD週足

昨年は、DeFi(分散型金融)プロトコルトークンに押され存在感を薄めた時期もあったが、20年9月に「Binance Launchpool」を発表すると、1日で18ドル台から32ドル台まで高騰。右肩上がりの成長を続けた

背景には、DeFi(分散型金融)のステーキング需要がある。BNB、BUSDおよびその他のトークンといった保有資産を預け入れるトークンのステーキングで収益を得る「イールドファーミング」を提供するものだ。

イールドファーミングとは、需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、最も大きなリターンを得る取り組みのこと。流動性マイニングは、イールドファーミングを行う投資家を引きつけるため、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)が付与されることを指す。

また同年9月には、時価総額2位のイーサリアムの仮想マシン「Ethereum Virtual Machine(EVM)」と互換性のあるバイナンス・スマートチェーンのメインネットが稼働しており、スマートコントラクト(dApps)および仮想通貨BNBのステーキングを実装した仕様であることも好感された。

イーサリアムの独自開発言語であるSolidity開発者が円滑に新チェーン移行できるほか、独自トークン標準「BEP2」の銘柄との相互送金(クロスチェーン機能)を可能にするものとなる。

バイナンスは、四半期ごとに出来高に応じてバーン(焼却)する仕組みを取っており、これによりトークンの供給が絞られ希少価値が上昇する。第14四半期(20年10月〜12月)には、3,619,888BNBをバーンしたことを発表した。これは、1.7億ドル(180億円)相当に上る計算だ。

バーン量は、過去3か月間にBinanceの取引数に基づいて計算、四半期ごとに実施されるため、バーン量が増加しているということは取引量の増加や利益増を示唆している。

対照的に、大手取引所OKExのネイティブトークンOKCoin(OKB)は、20年12月からその価値を37.5%減少させた。昨今のアルトシーズン再来に伴う仮想通貨全面高により、最大手取引所であるバイナンスの財務基盤強化や事業拡大思惑が強まったものと思われる。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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