金融バブルの比較
世界最大手ヘッジファンド「Man Group」の研究チームに所属するアナリストHenry Neville氏が、ビットコイン(BTC)の価格高騰は、一過性になる他の金融資産のバブルとは異なるとの見解を示した。
バブルが崩壊しても再度価格を上昇させた回数と期間を根拠に、BTCの価格高騰は単なるバブルではなく、価格発見の一環とも考えられると指摘した。
価格発見とは、新しい資産の価格が最終的に安定するまでに至るプロセスのことで、本質的な価値の議論も含め、ビットコイン本来の価値を市場が見定めている中での価格変動である可能性を指摘している。
Neville氏は今までのBTC価格について、バブルと捕らえられた局面として5回の相場変動を対象としている。以下は2010年から現在までのBTC価格のチャートだ。
価格の上昇から下落までをバブルと見られる期間として、以下のように区切っている。括弧内は順に価格の上昇率と下落率だ。
- 2011年4月8日〜2011年6月8日〜2011年11月18日(3847%──93%)
- 2013年1月3日〜2013年4月9日〜2013月4月16日(1648%ー68%)
- 2013年10月2日〜2013年11月29日〜2014年10月5日(908%ー73%)
- 2017年7月16日〜2017年12月17日〜2018年2月5日(921%ー63%)
- 2020年3月16日〜2021年1月9日〜2021年1月11日(833%ー12%)
Neville氏はこの頻度の多さが、過去に見られた金融バブルとは大きく相違する点になると説明。以下は過去のバブルの例だが、どれも1回限り(一過性)か、ゴールド(金)のように次のバブルが起きるまでにより長い年数がかかっており、BTCバブルを過去の金融バブルと単純な比較はできないとしている。
この違いから、BTCの大きな価格変動は個別にバブルと考えるのではなく、需給が正しく均衡する価格までの発見プロセスの一部だと考えることもできると指摘した。
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