なおも止まらぬビットコイン相場
7日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+9.1%の380万円(36,970ドル)と大幅続伸した。
一時37,400ドルに到達するなど、資金流入が続いている。
年末年始の過熱感の反動が引き起こした4日の暴落局面では、前日比6,000ドル安の27,700ドルを付けたものの、その後急反騰。押し目とみた大口の買いが新規買いを呼び込むような状態となり、わずか3日間で約1万ドル(100万円)上昇した。
国内で最も多くのアルトコインを取り扱う大手取引所、コインチェックの銘柄群も全面高となった。
ステラ(XLM)が前日比72%高(一時100%高)となったほか、次世代チェーンの材料を控えるネム(XEM)が28.6%高と高騰。
SEC(米証券取引委員会)による米Ripple社提訴に関連する悪材料で売られすぎ水準にあった、リップル(XRP)も前日比16%高と反騰した。
通貨強弱からみるビットコイン
仮想通貨におけるビットコインの市場シェアを示す「ドミナンス」を確認すると、過去3年間の最高値である73%の節目から急落しており、ビットコインが高騰しつつも、それを上回るリターンを享受し得るアルト市場のターンが訪れ始めた可能性を示している。
金融市場には、どの通貨ペアが市場で注目されているのかを示す、為替レートを基にした「通貨強弱」という概念がある。
外国為替市場では、USD/JPY(ドル円)やEUR/USD(ユーロドル)など、2つの通貨を組み合わせた強弱が、貿易における輸出・輸入に依存する上場企業業績に多大な影響をもたらすことから、マスメディアでも「円高ドル安の影響」などと報じられる。
仮想通貨市場の「通貨強弱」について、20年以降に高騰した時価総額2位のメジャーアルトであるイーサリアム(ETH)をビットコイン(BTC)建てで確認すると、ETH/BTCの通貨ペアは以下のような推移をたどることがわかった。
少なくとも現時点では、メジャーアルトはにバブルの兆候が見えた初動段階にすぎず、伸び代が十分あることを示唆している。
最初にアルトバブルが訪れ、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ネム(XEM)が高騰したのは、改正資金決済法施行後の17年4月末〜5月にかけて。その後、アルト市場は急騰の反動でしばらく低迷するも、ビットコイン価格は伸び続け、17年末に約2万ドルの最高値を記録。同年末から翌年1月にかけて、リップル(XRP)やネム(XEM)価格は十倍以上に急伸した。
ただし当時は、未成熟な市場にある中、実体の乏しいプロジェクトでICO(イニシャルコインオファリング)による資金調達が盛んに行われるなど、投機筋が先導する相場が多く見られた。長期化した市場の調整フェーズを経て、規制面が格段に整った今回の強気相場では、機関投資家、及び企業の参入が相次ぐなど、その市場構造は当時とは大きく異なるとの指摘も多い。
アルトコイン市場が活性化する局面でもビットコインは強い状態を維持しており、通貨間の資金移動のみならず、株式市場高騰の背景にある「金融緩和マネー」を筆頭に新規資金を呼び込んでいるものとみられる。
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