仮想通貨Liskが開発者向けツールを提供する意義──2020年8月マンスリーレポート【公式寄稿】

Blockchain
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2020年8月における実績

仮想通貨Liskでは、毎月末に活動報告として、技術面のアップデートやコミュニティ活動について報告しています。この記事では、8月の活動内容を紹介いたします。

目次
  1. Lisk財団サイトが公開
  2. SDK5.0.0の進展と内容
  3. Liskコーデックの狙い、開発者にとってのメリット
  4. ビルダーズプログラムでの活動

現在開発が進められているLisk SDK 5.0.0は進捗状況が95%となり、間もなくこのバージョン5(v5)の開発が終わる見込みです。今後、既に開発が終わっているv3、v4と共にテストされ、最終的にメインネットへリリースされる見込みです。

コア部分の開発に限らず、アプリケーション開発をより簡単にするソフトウェアとして開発が進むLiskコーデックに関する実績も、Liskにとって重要な進捗です。

Lisk財団サイトが公開

Lisk財団はLiskプロジェクトの開発・プロモーション等を行う団体で2016年に設立され非営利団体として活動してきましたが、今月、新たにLisk財団のためのサイトの立ち上げました。

サイトデザインはLiskプロジェクトと統一しているものの、プロジェクトのサイトとは別物です。財団サイトでは、財団の評議会や評議会をサポートする金融・法律チーム、財団のメンバーシップや契約者についての情報が公開されています。

Lisk財団公式サイト

SDK5.0.0の進展と内容

Lisk SDK 5.0.0はこれまで12のエピック(開発テーマ)がクローズされました。今年6月の時点では8つのエピックがまだ実装されていませんでしたが、この数か月で着実に開発は進捗しています。このバージョンで残されたエピックは2つです。

Lisk5.0.0で実装予定だった「監視プラグイン作成」については、本バージョンでは実装されないこととなりました。このプラグインは、ネットワークを構成するノードの活動をモニタリングする機能を持ちます。まだ期日は決まっていませんが、将来、開発計画に組み込む予定です。

ロードマップ目標の「ネットワーク長寿性」の実装に付随し、コードのカバレッジ向上のため一部のコードはリファクタリング(コードの洗練化)と、各種テストが実施されます。

オンチェーンアーキテクチャのLisk SDK 5.0.0への導入

Lisk SDK 5.0.0の開発が完了すると、コードはモジュール化されて開発者の開発工数を削減するだけでなく、柔軟な開発も可能にします。

「オンチェーンアーキテクチャの導入」はモジュールシステムの定義と適用をオンチェーンのブロック処理に行うもので、現在のブロック処理、トランザクション処理、スキーマの定義を4つのモジュール(シークエンス、トークンモジュール、キーモジュール、DPoSモジュール)に分けます。

  • シークエンスモジュール:トランザクションのナンス管理を担う
  • トークンモジュール:通常のトランザクションアセットと残高の管理を担う
  • キーモジュール:マルチシグネチャグループや、シグネチャ認証、マルチシグネチャグループの登録アセットを担う
  • DPoSモジュール:全てのコンセンサスのプロパティ、委任の塔ロックやバリデータの選択、投票、アンロック等の管理を担う

Liskコーデックの狙い、開発者にとってのメリット

Liskコーデックについての解説を含む記事を公開しました。Liskコーデックはブロックチェーンプロジェクトにとって重要となる「シリアライゼーション」に関わる様々な課題に対処するために導入されたものです。

アプリケーションの開発者はLiskコーデック(エンコード、デコードのためのソフト)を使うことで、エンコード、デコード規格が標準化されるため、開発工数の削減に貢献します。またLiskネットワークにもメリットがあり、ネットワークでやりとりされる情報量やブロックチェーンに記録される情報量を削減することができます。

Liskがシリアライゼーション(データのハッシュ化と署名に関するプロセス)に取り組むことは、ネットワークへの負荷を下げ、プロトコルの多様性を広げる意味でも重要です。

またLiskコーデックでは、シリアライゼーションとデシリアライゼーション(ハッシュ化したデータと署名を復合するプロセス)を実施する際に異なる演算結果になり、署名やIDなどが無効になることを防ぐ仕組みも導入しています。これは、価値交換が行われるブロックチェーンにて非常に重要な機能です。

詳細:Introducing Lisk Codec

ビルダーズプログラムでの活動

ー1、自動定額支払いプロジェクト

MoostyチームのJurreはLiskブログにて、仮想通貨の自動定額支払いプロジェクトに関するPoC(概念実証)に関する記事を投稿しました。

このPoCでは、特定の2者間で取り決めた条件で自動執行される価値交換が実現可能かを検証します。たとえば、ある組織が政府に補助金を申請するとします。1年後に一定条件を満たしていないと、その補助金の一部かすべてが政府によって回収される、といったユースケースが想定されます。

ー2、CollabolancerプロジェクトがLBPに参加

Liskビルダーズプログラム(LBP)に、Aldo Suhartono Putra率いるCollabolancerプロジェクトが参加しました。このプロジェクトは、フリーランサー向けの分散型マーケットプレイス提供を目指しており、コラボレーションにインセンティブを与えることで彼らの活動をサポートすることを目指しています。

詳細情報

Lisk財団公式サイト(New)

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