FATFルールにおけるビットコイン送金
スイスの仮想通貨関連企業3社がFATF(金融活動作業部会)の資金洗浄対策ルールを自動で遵守したビットコインの送金を初めて実行したことがわかった。
Mt Pelerin、Crypto Finance AG、および21 Analyticsは木曜日、約23ドルに相当するビットコインの送金デモストレーションを行なったという。この少額送金は、FATFが推奨する資金洗浄防止ルールおよびスイス金融当局の制定した規制に基づき、送金が実行される際、それらのルールへの基準を自動的に満たす仕組みが取られた。
FATFの資金洗浄防止ルールは、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)を対象としたもので、いわゆる「トラベル・ルール」の一部に含まれている。
トラベル・ルールとは、資金洗浄等防止のため国際的な電信送金に関するルールで、仮想通貨取引所などのサービス・プロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することも求められる。
対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的なKYCルールが適用されることになる。
これまで、トラベル・ルールの遵守はVASPによって手動で実施されていたが、今回のデモストレーションでは、資金洗浄防止に必要な情報を自動的に取り組むことができた。21 AnalyticsのCEOはCoinDeskへのメールで、「スイスFINMA(金融市場調査局)の規範ではこれまで顧客の情報を含むPDFファイルを作成しトランザクションとともに送る必要があったが、今回は複数のコンプライアンスソリューションを使って、自動で送付できた」、と説明した。
送金にあたり、スイス発のデータ伝送ソリューション「OpenVASP」、「TRP」、および「InterVASP Messaging Standard(IVMS101)」を利用したという。
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