ブルームバーグの8月レポート
金(ゴールド)の高値更新に再びビットコインが追随した。
ビットコインは6日の仮想通貨市場で、120万円台まで値を戻した。1オンス=2,000ドルの節目を突破した金価格(XAU/USD)に方向性を合わせる形で買いが先行している。
金融市場では、米国の景気回復の鈍化懸念が根強く、米金利が低水準で推移する中で、ドル売りが優勢。米国債利回り低下は、金利のない金需要を喚起することから、米国の実質金利と金価格は一貫して強い逆相関の関係にあるとされる。類似した資産の性質を持つビットコインに注目が集まる理由にも上がる。
5日には、米ドルの大量保有を減らし、金やビットコインも投資の選択肢として方針打ち出す企業も出てきている。
コイネージのレポートによると、ビットコインと金先物の相関(30日)は、金融資産や関連指数の中でも上位で、BTCハッシュレートに続く2位の相関性を示す状況にある。
ブルームバーグのビットコインレポート
米ブルームバーグ誌も、ビットコインと金が相関性を持ちながら今後も上昇傾向を示すとレポートで指摘した。8月の最新ビットコイン報告書を公開し、ビットコインとゴールドの市場価格を比較、ゼロ金利やマイナス金利、量的緩和によって金融市場に変化が生じる中で、投資家の新たな注目ポイントになりつつあると紹介した。
5日にも金価格(XAU/USD)は1オンス=2,000ドルの節目を突破、ビットコインの市場価格も11,000ドル台で推移など好調だ。
ビットコインについては、普及率の上昇や、希少性、マクロ経済要因などを理由に、資産単体としての魅力もあると指摘している。投機的なマーケットから、価値の保存手段へのステージアップの可能性も高まっているとした。
採用率などを加味したビットコインの関連指標では、BTCアクティブアドレスの推移と金の相関性に注目。金の流動性の高まりと同様に、ビットコインでも同様の傾向が示されていると指摘した。同指標が仮想通貨の価格の見通しを示す重要なポイントになるとしている。
ゴールドとビットコイン
ゴールドとビットコインの相関性については、連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和をポイントにして、金とビットコインの相関性に変化が生じたと説明。
価格の見通しについては、2000ドルとなったゴールド価格が、08-09年の金融危機と量的緩和政策に再現性があると指摘し、今回は比類ない量的緩和が更にゴールド価格を押し上げるとした。G4のバランスシートとGDPとの比較をした上で、スポット価格では1オンス3000ドルも視野に入るとしている。
一方のビットコイン(12,000ドル)については、ゴールド(2,000ドル)の市場価格との比較で6倍の差で安定している現状があるとしつつも、ヒストリカルボラティリティの260日の推移から、ビットコインの方が価格の上昇率では優位にあると説明した。
「ビットコインのボラティリティは3年前と比べ、底を打っている。低水準のボラティリティが2017年10月時の水準まで戻れば、ビットコイン価格はより上昇しやすくなるだろう」と分析した。
これまでも、ブルームバーグのアナリストMike McGlone(報告書の執筆者)は、13,000ドルを一つの重要なレジスタンスとしており、突破できれば、年内に最高値の20,000ドルも突破する上昇する余地があると論じている。
イーサリアムは投機的
アルトコインマーケットにも触れたレポートでは、イーサリアムの高いパフォーマンスを認めつつも、ビットコインと比較して投機的要素が高いと指摘している。
ビットコインの需給関係に比べ、イーサリアムは投機的要素が強い。
ーMcGlone
好調な相場が続くイーサリアムも時価総額で見ればビットコインの約5分の1であるとして、未だに他の6,000以上のアルトコインと競合している状況があるとした。
2年間の価格パフォーマンスをブルームバーグの主要銘柄指数「Bloomberg Galaxy Crypto Index」で確認すると「-7.1」となる一方で、ビットコイン単独では「54.6」で推移しているとして、長期的な期間ではアルトコイン投資に対して、ビットコイン投資の優位性をデータで指摘した。
ブルームバーグの見解を受け一部の有識者らからは、イーサリアム基盤のDeFiセクターの市場拡大や次期ETH2.0など重要なファンダメンタルズがあることを無視しているとのコメントも見られた。
参考:ブルームバーグ
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