PlusTokenの全主謀者を逮捕
中国の公安部が、仮想通貨(暗号資産)のポンジスキーム「PlusToken」で、主謀者全27人と重要メンバー82人を逮捕したことが分かった。
PlusTokenは推定30億ドル(約3140億円)を被害者から騙し取った史上最大規模の仮想通貨のポンジスキーム。被害者の数はおよそ80万人だ。2019年8月の時点で6人の容疑者が逮捕されていたが、主犯格のメンバーは逃走を継続。今回ようやく全主謀者の逮捕に漕ぎ着けた。
2018年初期に始まったPlusTokenは、高い投資収益を謳った中国のウォレットサービス。同年9月にはネズミ講の詐欺であることが発覚した。その後2019年6月に、複数のユーザーがウォレットから資産が引き出せないと報告した時は、中国や韓国の投資家の間で混乱が広がったという。
最初の6人の逮捕後、PlusToken関連のアドレスから資金が移動していることが確認されている。最近では先月24日に、イーサリアム約79万ETH(当時の換算で200億円相当)の移動が確認され、売り圧力が懸念されていた。
中国の詐欺集団の取り締まり
ここ数カ月の間に、中国では詐欺集団の取り締まりが複数報じられている。
今月は温州市の警察が、詐欺グループから1億元相当(約15億円)の仮想通貨を押収したことが明らかになった。その他にもフェラーリやマクラーレンといった高級車や別荘も押収。このグループは、偽の仮想通貨を扱った詐欺で、かなり贅沢な生活をしていた。押収した仮想通貨にはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)が含まれる。
また今年5月には、巨大規模の詐欺スキーム「WoToken」の主謀者6人が中国警察に逮捕されたことが分かった。BTCやETHなど5銘柄の仮想通貨の被害額は、逮捕時の換算で約10億ドル(約1070憶円)近い金額になった。主謀者の内1人はPlusTokenの詐欺にも関わっていたという。
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