仏中銀が協力企業8社を選定
フランス銀行(中央銀行)は20日、中銀発行のデジタル通貨(CBDC)の試験利用について、協力企業の候補8社を選定した。
試験利用への取り組みは数日で開始すると説明。協力企業の提案によって行われる今回の実験では、法定通貨と仮想通貨(暗号資産)を除く金融資産の新たな取引方法を探る。また国際送金を改善するためのテスト、さらにCBDCを利用できるようにするための取り決めの再考も行う。
フランス銀行は今年3月、CBDCの実験に対する提案を募集。その際、今回の目的はCBDCベースの銀行間決済のモデリング、CBDCのシステムがもたらす利益の特定、潜在リスクの分析と発表していた。フランス銀行はCBDCについて、個人や企業の利用(リテール決済)よりも、金融機関同士の取引における利用(ホールセール決済)を重要視しているとみられる。
大手銀行を含む8社は以下の企業。
- アクセンチュア
- Euroclear
- HSBC
- Iznes
- LiquidShare
- ProsperUS
- SEBA
- Societe Generale Forge
フランス銀行は今年5月、CBDCの実験に成功したことが報じられた。5月14日にブロックチェーン上でデジタル化された証券の決済の実験を実施。実験に関わったのはフランスのメガバンクの1つ「Societe Generale」だ。その際、他の企業とも協働して別の実験を行うことが伝えられていた。
フランス銀行は最近、ドイツ連邦銀行と共に、ユーロ圏の金融政策を決定する「ユーロシステム」の代表に選ばれた。フランス銀行が「これから行われる実験は、ユーロシステムに広く貢献できる」と期待を寄せている。
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