今週の相場の動きは
今週(7/6〜7/10)は株式市場で上海総合指数、仮想通貨(暗号資産)でイーサリアムがともに先週比で7%越えとなり、ダウ平均株価やビットコインもプラス圏になるなど、全体的に市場は好調な動きを見せた。
暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankアナリスト「長谷川友哉」氏は、来週から始まる米企業の決算シーズンに注意する必要があると指摘する。長谷川氏に寄稿いただいた週間市況分析(7/6〜7/10)も併せてお届けする。
各指標の騰落率一覧
7月10日終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
7/6〜7/10のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週はチェーンリンク(LINK)、ドージコイン(DOGE)、Travala.comのAVAを中心にアルトコイン関連の好材料が複数確認され、週明け6日よりBTCはアルトコイン物色に便乗高で100万円台定着を試す値動きとなった。
一方、今週は(米国株)S&P500種が揉み合いとなっており、同指数先物の下落局面ではBTCも上値を重くし、8日の暗号資産(仮想通貨)市場は米株に連れ安となったBTCが市場の下げを主導する格好となった。
BTCの週間騰落率は、足元、0.97%高とプラス圏を維持しているが100万円の維持には失敗している。また、他の時価総額上位アルトコインと比較しても今週のBTCはアンダーパフォームしており、出遅れている印象がある(第1図)。
この先もアルトコイン高が持続すればBTCも徐々について行くだろうが、昨今の米指数とBTCの連動性に鑑みるに、来週から始まる米企業決算(第2四半期分)シーズンは懸念材料として認識しておくべきだろう。
第2四半期は、新型コロナ感染拡大を受けたロックダウンの影響が大きいと考えられ、企業業績悪化が顕在化する結果となれば米指数の重石となろう。
万が一株式市場が急落することがあれば、BTCは直近1ヶ月ほどサポートとして機能していた「9000ドル水準(≒964,000円)や、3月安値(465,000円)と6月高値(1,104,720円)を基点とするフィボナッチ・リトレースメント23.6%押し(953,746円)を試す展開も視野に入る」
アルトコインと株のどちらに牽引されるか、目先のBTCは方向感を見極める展開が続こう。
関連:bitbank_markets公式サイト
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用