ダイムラー、オーシャンプロトコルとのPoC完了
ベンツなどを手がける大手自動車メーカーのダイムラーは7日、シンガポールを拠点に置くオーシャンプロトコルとのPoCを終えたと発表した。
発表によると、ダイムラーがブロックチェーンを活用することで内部売上や財務データを世界中の生産拠点で共有するだけでなく、原材料の調達先とのデータ共有などに分散型台帳技術を活用するという。
オーシャンプロトコルは、ブロックチェーン上で様々なデータを秘匿して安全な取引を可能にするデータシェアリングプラットフォームとそのプロトコルを開発している。
ダイムラーヴァイスプレジデントHarmut Mueller氏はプレスリリースの中で「オーシャンプロトコルの技術をもとにエンタープライズBtoBデータマーケットプレイスを構築し、データの価値を高めていき、収益化していくつもりだ」と述べた。
自動車メーカーでのブロックチェーン活用
自動車メーカーの中には、データの価値を見直しつつある企業もある。ダイムラー、BMW、ゼネラルモーターズの3社は、車両の識別番号管理から自動運転車が生成する各種データの管理といった用途でのブロックチェーン活用に向けた動きを以前から見せていた。
前述の3社のうちBMWとゼネラルモーターズについては、自動運転車に関する各種データを自社のためだけではなく、他社とも共有する情報基盤としてブロックチェーン活用を推進している。特にBMWは、今年6月にブロックチェーン基盤の報酬プログラム「BMW Vantage」を発表した。
自動車から取得できるデータの利活用とブロックチェーン
自動車メーカーやOEM各社は、自動車に登載されたセンサーや車に乗っている人物から得られる各種データの活用を急いでいる。ダイムラー社のオーシャンプロトコルとの連携は、このような背景を受けての動きであると推測される。
オーシャンプロトコル商業者Bruce Pon氏は「自動運転車データの利活用が進み、これまで利用されていなかったデータをもとに収益化できれば、IT部門がコストセンターからプロフィットセンターへ変身するであろう」との見解をCoinDeskとのインタビューで述べた。
ダイムラー社シンガポール支社の技術マネージャーFrank Schur氏は「オーシャンプロトコルの技術をもとに、分散型データマーケットプレイスでのデータ取引の安全性と透明性をより高めていきたい」とコメントを残した。
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