ヴィタリック、イーサリアム2.0の開発遅延で後悔を語る

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ヴィタリック、開発遅延の理由を語る

イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリンがポッドキャスト番組に出演、開発が予定よりも遅れている背景と後悔を語った。

ヴィタリックによれば、ガス費用など様々な点で計画の変更を行ったが、特に重要なものとしてはシャーディングとプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の課題で、それらにかかる時間を過小評価していたという。

シャーディングとは、ノードを幾つかのグループに分割して、同時並列でトランザクションの検証作業を行うことで取引処理能力を高めるものである。

ヴィタリックは以下のように述べた。

これらに何年もかかることを知っていたら、ロードマップを異なる方法で設計し、様々なチームがそれぞれの方法で作業し、今とは違うやり方で物事を進めていた。その側面に関しては、間違いなく時間を浪費してしまい、後悔している点が多い。

遅延の原因については、イーサリアムのコア開発者も5月に明かしており、マルチクライアントシステムの複雑さを挙げた。

マルチクライアントはセキュリティを維持するためには重要なシステムである。例えば、ある一つのクライアントにバグが発生してダウンしてしまった場合でも、他のクライアントに実行ノードが分散されていれば、ネットワーク全体が停止することは防げる。

しかし、テストを行う際にバージョンが衝突したり、新たなクライアントがオンラインになった際にテストネットを再起動する必要が生じたりすると、テスト過程には時間がかかるという。

イーサリアム2.0のローンチは早くて今年11月

イーサリアム2.0は当初2020年1月にリリースを予定されていたが、開発者達は現段階では早くて今年11月になると予測している。

6月下旬時点の進捗状況としては以下が報告された。

・新しいデポジットコントラクトが正式に承認され、報酬プログラムに追加
・v0.12のマルチクライアントのテストネット「Altona」が近日ローンチ予定
・クライアント「Sigma Prime」のバグ修正プログラムの継続

特に、「デポジットコントラクトの実装」と「ETH2のクライアント全てがv0.12.1に対応」の2つは、2.0の立ち上げに必須である事項であり、これに関連した開発が進んでいることは大きい。

また、公式マルチクライアントテストネット「Altona」は6月29日にローンチされた。ETH2.0の正式ローンチ前の最終段階に突入したと試算されている。

スケーラビリティ向上はETH2.0前から可能

イーサリアム2.0のローンチは遅れているものの、プルーフ・オブ・ステークへの移行については準備が進んでいる点もあり、ステーキングのための公式ポータル「Ethereum 2.0 Launchpad」が現在開発中、そのデザインはすでに発表されている。

また、イーサリアム2.0で大幅改善が見込まれるのは処理能力のスケーラビリティだが、実際にETH2.0に移行する前からスケーラビリティ改善が可能だと分かった。

現在のETH1.0に、ETH2のセカンドレイヤーソリューション「Optimistic Rollups(OR)」を適応すると、1秒あたりの取引処理数(TPS)を2000から3000近辺まで向上することが可能になるという。

ETH2.0のフェーズ1に入ると、処理数は桁違いの10万TPSまで上昇する見通しである。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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