テゾスに新しくオフチェーン決済ソリューション
スタートアップ企業Bolt Labsが仮想通貨テゾス(XTZ)を独自のプライベート決済ソリューションでサポートすることを発表した。
「zkChannels」と呼ばれる匿名のオフチェーンプロトコルで、買い手と売り手の間の安価でプライベートな価値の送信を可能にするものだ。
Bolt Labsは2018年に設立された企業で、2019年4月にはZcashの共同創設者であるZooko Wilcoxなどに加えて、Lemniscap、リップル社の投資部門Xpringなどから150万ドルを調達している。
プライバシー保護を重視
zkChannelsはプライバシー保護に重きを置いた仕組みを持つ。
プライバシーを保護するために、zkChannelsのデータは非対称的に維持される。買い手(顧客)の側が、関連するすべての情報を保持および更新し、決済が行われる都度、チャネルの状態が決済と一致することを確認する。
売り手(商品やサービスなどの対価を受け取る者)の方は支払い額以上の情報は何も手にすることがなく、顧客のプライバシーが維持される。
例えばビットコインでオフチェーンの決済チャネルを提供するライトニングネットワークでは、特定の設定をすると他の人々の銀行口座データを閲覧できることが問題となっていたが、zkChannelsはプライバシーを強化している形だ。
zkChannelsはすでにビットコイン(BTC)をサポートしており、間もなくジーキャッシュ(ZEC)でも利用可能になる。
将来の方向性としてBolt Labsは、ジーキャッシュやビットコインをテゾスに接続するため、zkChannelsを介してクロスチェーンブリッジを構築し、分散型金融(DeFi)アプリケーションに検閲耐性を提供することにも関心があるという。
テゾスとzkChannelsの親和性
Bolt Labsは、テゾスをサポートする利点を幾つか挙げている。
まずテゾスは「オンチェーンガバナンス」と呼ばれる独自のメカニズムを持っており、ネットワークを二つに分岐(フォーク)させることなくアップグレードが可能だ。
これにより、zkChannelsをサポートするために必要な機能をテゾスに追加することがより容易になる。
また、Tezosは、意図した仕様に関してスマートコントラクトが正しく機能することを証明できる形式検証を備えている。このことは、コードのバグが原因で資金が失われたり凍結されたりしないことを保証する必要がある金融スマートコントラクトにとっては特に重要だという。
またプライバシーを強化するsaplingプロトコルが今後テゾスに統合される予定であるが、これによっても、zkChannelsのプライバシープロパティが高められる。
テゾスの最近の動向
テゾスの最近の動きとしては、金融活動作業部会(FATF)の国際送金基準を順守するためにマネーロンダリング防止(AML)を行う企業Coinfirmと提携して、資金洗浄対策およびトランザクション監視ソリューションを発表したことがある。
また、テゾス財団が2017年に実施したICOにを巡る裁判で、財団側が2500万ドルの和解を提案。8月に裁判所がその案の妥当性について判断をくだす予定だ。
テゾスのステーキングを扱う仮想通貨取引所は増えており、米コインベース、Bitfinex、バイナンス、クラーケン、Huobiなどが取り扱っている。
Bitfinexでは3%〜5%、バイナンスで6%〜7%、クラーケンで6%ほどの年利が付くことが見込まれる。
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