一般ユーザーの体験は変わらないままに導入される可能性
仮想通貨ハードウェアウォレットメーカーLedger社のアジア太平洋地域責任者であるGlen Woo氏は、中国のCBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)は国民が変化に気づかないままに導入される可能性があると指摘している。
今年4月には深センなど一部地域でスターバックスやマクドナルドを巻き込んだ試用、5月には中国銀行の元総裁が「デジタル人民元ローンチ間近」と発言するなど中国のCDBC導入の動きは他の国々に先んじていている。
cointelegraphの取材に応じたGlen Woo氏によれば、中国の少額の小売取引の96%以上がAliPayまたはWeChat Payで処理されており、CDBCはそれらのシステムに統合して導入されることでユーザーの体験を変えないまま政府の国内の小売経済へのコントロール力を強めることになるだろう、と予測している。
小売ユーザーの視点から見れば、CDBCの導入は)シームレスなものになり、何が変わったのか誰も気づかないだろう
国際取引でもCDBC利用を促進か
Woo氏は中国通貨での貿易決済を促進する手段としてCDBCが利用されると考えている。
具体的には、中国の輸入に依存する国との貿易での決済時にCDBC利用にインセンティブを付与するなどの方法を想定している。
一方で、最近の世界的な不況の中、保護主義が強まっていることから、このような戦略の成功については懐疑的なようだ。
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