オプショントレーダーの見解
仮想通貨ファンド「Three Arrows Capital」を運営するオプショントレーダーのSu Zhuは、ビットコインの全戻しなど乱高下を示す「シンプソンズチャート」は、今後も続くと見ている。
トレーダーたちがデリバティブを取引している限り、シンプソンズチャートのような値動きは避けられない。むしろ今後増えていく可能性もある。
Coinistのポッドキャストに出演したZhuが指しているのは、6月2日〜3日に10,000ドルを境に発生した急騰直後の急落、いわゆる「シンプソンズチャート」のことだ。急落直後の急騰パターンもあり、米国民的アニメ、ザ・シンプソンズのキャラクター「バート・シンプソンズ」の髪型に由来する。
約10万円幅もの急騰・急落で典型的なシンプソンズチャートを形成し、直前の上昇分を帳消しにした。
BTC市場でシンプソンが頻発する理由
Zhuは、長年のオプショントレーダーの経験およびビットコイン取引の知見をもとに、シンプソンズチャートの形成は、仮想通貨・ビットコイン市場特有のパターンで、デリバティブ取引所の出来高および未決済建玉(OI)に左右されていると説明した。
急騰・急落局面では、ロングとショートの未決済建玉を強制ロスカットさせるメリットがある。いわゆる逆指値注文(ストップロスオーダー)狩りだ。大口投資家は、利益計算に基づいて相場を一定方向に動かし、流動性の低いポジションを清算させることができる。
一概に相場操縦とは言えず、方向感の欠いた相場ではナチュラルな値動きとも言える。
デリバティブ取引所は、基本的にビットコインの現物を多くは保管しておらず、長期ホルダーにとってシンプソンズチャートのような値動きは、中・長期的な影響力を持たない。
Zhuは、大手仮想通貨オプション取引所Deribitの著名トレーダーで、定期的にDeribitに分析記事を寄稿。
先日公開したDeribitのロングポジションでは、無期限契約で8040ドルからエントリー、6月と9月期限の先物で6500ドル・6674ドルのエントリーで、5月7日時点で620BTC以上の含み益を抱えていた。
Some ppl have asked me if we’ve closed this long on @DeribitExchange yet.
Haven’t closed.
Added, actually.
New UI via https://t.co/nHcZOdkq27 https://t.co/Xnwo2ef8pL pic.twitter.com/G8aSL1quxP
— Su Zhu (@zhusu) May 7, 2020