イーサリアムを使用したLIBORの代替指標
連邦準備制度(FRB)のパウエル議長が議員の質問に答え、次の銀行間貸出金利指標として、「AMERIBOR」もある条件下では適合性があると回答したことが分かった。「AMERIBOR」はイーサリアムのブロックチェーンを活用した次世代の指標金利である。
米国や他の主要市場が短期貸出の金利目安として参照している、ロンドン銀行間取引金利指標(LIBOR)について、不正に操作が行われていたことが発覚、現在代替となる指標が模索されている。
2021年までの移行が予定されており、現在は米ドルLIBORに代わる有力な指標として、ニューヨーク連邦準備銀行が公表するSOFR(担保付翌日物調達金利)が特定されている。
トム・コットン上院議員はパウエル議長に、SOFR以外の指標を使うことについてFRBは支持するかと質問。これに対し、議長は次のように回答した。
SOFRをLIBORからの移行における強力な代替案と見なしている。ただし、代替参照率委員会(ARRC)の推奨事項やSOFRの使用は強制ではなく、市場の参加者は特有の状況を考慮して、最も適切な方法でLIBORからの移行を模索する必要がある。
AMERIBORは、American Financial Exchange(AFX)を通じて資金を供給する銀行や、AMERIBORが資金調達のコストを反映する可能性のある他の同様の機関にとって完全に適切なレートだが、多くの市場参加者にとって適合しない場合もある。
ERC-721トークンを採用
AMERIBORは、American Financial Exchange(AFX)が開発した指標金利で、昨年11月より、レートを決定する上でイーサリアム基盤の許可型ブロックチェーンを取り入れている。
AMERIBORのネットワークは、トランザクション内の各当事者に対してERC721トークン標準に準拠する、二つの非代替トークン(NFT)を作成。非代替トークンには、取引および分散型台帳の相手先に関する情報が記録される。
これには、エンタープライズ用のイーサリアムネットワークを使用されており、トランザクション記録はイーサリアムのメインネット上では行われない。
SOFRが担保付の調達金利を示しているのに対し、AMERIBORは、1100を超えるアメリカの金融機関の実際の無担保借入コストを反映している。
パウエル議長の回答にSOFRの使用は強制ではないとあったように、LIBORに代わる次世代の指標金利は、一つではなく複数のものとなり、銀行など金融機関がそれぞれの組織に最適なものを選ぶことで効率性が増すだろうという意見もある。
参考:フォーブス報道
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