年内20Kなるか
米有力紙ブルームバーグがビットコインの最新レポートを公開。ビットコイン市場は今年強気相場に転じ、新たな最高値をつける可能性があると紹介した。
レポートでは、複数の要素を分析、総合的判断した上で2017年バブルの最高値=約2万ドルを突破し、2.8万ドルにまで上昇する余地があると論じている。
GBTCに注目
ブルームバーグが注目するのは、米大手仮想通貨ファンドグレイスケールが提供するビットコインの投資信託『GBTC』で、過去のデータから新規に発行されたビットコインの25%を同投資信託のみで購入されていると紹介した。機関投資家や大口投資家からの需要が反映されているとの見解だ。
5月にグレースケールの公開した運用資産表によると、過去3ヶ月で新規発行されたビットコインの約34%に相当する数を買い増ししており、シェアの拡大は続いている。ビットコインの新規発行量は、半減期に伴い減少していることから、マーケット価格を裏付ける需給関係が好転すると注目する見方は強い。
また、ブルームバーグは、GBTCの価格乖離(プレミアム)が縮小していることについても指摘。GBTC1シェア当たりのプレミアムは、2018年年末にビットコインが底値をつけた時と同様な水準で推移しており、過熱気味には至っていないとの見方を示した。
資金流入が続いているにも関わらず、GBTCのプレミアムが下落している点は、市場の成熟化を示している。
30日の平均で見ると、20%のプレミアムは歴史的な中央値の39%と比べてかなり低くなっている。
プレミア減少の背景
プレミアムが減少している一つの理由には、GBTCを利用したアービトラージ手法が、大口投資家らで利用が盛んになっていることも影響しているという。
グレイスケールでは、キャッシュでGBTCの売買をする手法の他に、ビットコインを預け入れてGBTCに変換する仕組みがある。
後者のケースのみ、GBTCを現物のBTCに戻すことができるが、6ヶ月というビットコイン(最低5万ドル)のロックアップの制限が伴う。
しかし、プレミアムが高いポイントでは、BTC→GBTC→BTCの取引を行う中で、プレミアムの差分が利益になるため、金利が低下する世界金融市場の中で、新たな投資手法として注目が集まりつつあるようだ。
ゴールドとの関係
GBTCのほかには、ゴールド(金)相場もビットコインの追い風になると、ブルームバーグは見ている。
ゴールドは今年、1700ドルをサポートラインとして足元固めており、新型コロナの影響で安全資産への需要高は続くとの見通しを示した。
また、コロナ禍で経済不安が続く中で、金融政策に伴い上昇する株式市場の値動きも、ビットコインとゴールドに追い風になると、ブルームバーグは予測した。
ゴールドとの52週間の相関性は、ビットコインが今後もゴールドの動きに類似すると指し示している。中央銀行の史上最大規模の金融政策はこの2つの資産価格をより引き上げていく見通しが立つ。
特に何か深刻なことでも起こらない限り、ビットコインの価格が上昇しないわけがない。昨年の最高値約14000ドルから二倍(28000ドル)になるのも、長期的に見ると大した事ではないだろう。
現在のビットコイン相場が2016年強気相場の開始時に類似していると指摘し、2014年と2018年の大幅な価格低下も踏まえると、「仮に2016年のトレンドをフォローするなら、今年は2万ドルまで到達し得る」と強気な見解を示している。
参考:ブルームバーグ
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