Bitmainの新規マシン
中国大手マイニングマシン製造企業Bitmainは、ビットコインの新型モデル「T19」をリリースした。
T19は最新型フラッグシップマシンS19 Proの廉価版であり、1台2407ドル(26万円)のS19 Proに対し、T19は1750ドル(18.9万円)と価格が抑えられている。両モデルのジェネレーションチップは同様のものを利用する。
マシン性能を示すハッシュパワーはT19が84TH/s。S19 Proの主力は110TH/sとなっており、T19の出荷は、6月21日〜30日の間を予定する。
F2Poolの収益計算機によると、S19の一日の平均利益が3.93ドルになるが、格安のT19だと3.14ドルに低下する。
Bitmainの販売サイトによると、フラッグシップマシンS19 ProとS19は9月に出荷する予定の在庫がすでに売り切れている。新型コロナの影響で出荷遅れとなった最初に販売されたS19は先週出荷が開始、マイニングファームに一部が到着していると報じられた。
半減期以降、報酬減額などの影響で一部の中華系業者は撤退を余儀なくされていた。
しかし、四川省では電力コストを大幅に抑えられる豊水期に突入しており、ハッシュレートの状況は今後数ヶ月間にわたり見通しが明るくなるとの指摘もある。Bitmainは再び高まるマイニングの需要を見据えて新マシンを市場に投入していると考えられる。
Bitmainマシンの故障問題
中国大手メディア「吴说区块链」は4月末、Bitmainの格安マシンS17とT17の故障率が20%〜30%に及ぶとネガティブに報じた。通常の故障率約5%に対して高い。
Bitmainの代表は先週、この事実を認め、S17とT17に適用するファームウェアをリリース。マシンのアップグレードを推奨している。新たなファームウェアは水力発電の停電による故障を防ぐこともでき、豊水期に備えた対策となる。
さらに、Bitmainはマシン修理の海外研修についても力を入れている。先週、北米でマシンのメンテナンスの資格認定プログラム「アント・トレーニング・アカデミー」を開始すると発表。中国以外の地域でこの資格認定プログラムを開始するのは初めてだという。
マシンの部品を北米現地で交換できるようになれば、数時間で修理が完了するが、Bitmainの中国本部に輸送し、修理し再び送ってもらうと数ヶ月かかる場合もあり、ビットコイン価格変動など採算を考慮してマシン運用を調整する業者にとって頭痛の種と言われる。
認定資格制度があれば、今後Bitmainのマシンを利用するグローバル業者はより柔軟に運用ができ、マシンの故障によるビットコインハッシュレートの急落も防げると考えられる。
参考:Bitmain
参考:theblock
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