ストック・フローで強気サイン
仮想通貨ビットコインの相場推移を「ストック・フロー比率(S2F)」モデルで分析するアナリスト「PlanB」は1日、強気のサインを示すレッドシグナルが点灯したことを明かした。
#Bitcoin S2F chart update .. RED DOT RELEASED!!! pic.twitter.com/iNTjbf9b9K
— PlanB (@100trillionUSD) May 31, 2020
PlanBは今年3月、2020年の半減期後のS2Fモデルは、2012年と2016年の半減期同様の結果になることを指摘していた。(下図:3月時点)
ストック・フロー比率(S2F)は、「S2F=市場に存在する量(ストック)/年間生産量(フロー)」で計算され、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用されるものだ。
ほとんどの商品は、生産量の増加に比例して流通量も急増し、価格が下落する。一方、金などの一部の希少性が高い商品は、市場に存在する量に対して年間の生産可能量が小さく、供給過多によって価格が崩壊することはない。
ビットコイン市場のS2F分析を提唱するPlanBが、2009年12月から2019年2月の相場データをもとにプロットしたところ、一定の規則性を発見。S2Fと時価総額の両方について対数をとり線形回帰を行うと、S2Fと時価総額の間に統計的に有意な結果が確認された。
2020年5月に「半減期」を迎えたビットコイン(BTC)は、ストックに対するフローが急減しており、これによって中・長期的に価格が上昇するという理屈だ。
PlunBによるS2Fモデルを用いた算出では、2020年の半減期後のBTC理論価格は1BTCあたり55,000ドル(約570万円)を突破する。
ストック・フロー比率(S2F)モデルへの批判
しかしながら、このモデルには問題点も存在する。
例えば、S2Fモデルの理論値は、過去のBTC価格とストック/フロー倍率から事後的に算出されたものにすぎず、BTCの新規発行という「供給面」のみからの視点で分析を行う。このモデルはマイナーの「撤退行動」を考慮していない点にも注意が必要だ。