仮想通貨市況
26日のビットコイン(BTC)は、前日比+1.41%の96万円(8,880ドル)と価格を回復した。
9,700〜10,000ドルのレジスタンスに阻まれ一時8600ドルまで急落していたが、ビットコインネットワーク創世期である11年前のBTC送金が、大口の売却を示唆したことなどの影響で、さまざまな憶測と市場の混乱を招き、短期的に売られすぎ水準にあったこともあり、下げが一服したあとは反発をみせている。
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日足チャネル割れによる下落トレンド入りとの見方も強まるなか、反発次第では10,000ドル回復のシナリオも視野に入るため、今後の価格推移が注目される。
ここで注目されるポイントのひとつが、BitMEXやOKExのような大手デリバティブ取引所における「ビットコイン先物」の資金調達率を示すfunding rate(資金調達率)の推移だ。
海外トレーダーByzantine Generalは、24日から25日の急落局面で、funding rateが大幅にマイナスに転じたことを指摘した。
CoinPostに寄稿する中島氏の解説にもあるように、伝統的なアセットクラスでの先物価格は、おおまかに示すと「現物価格-保有期間の収入(配当金等)+金利等の調達コスト」という計算式となっており、仮想通貨の先物価格は「現物価格」と相場の需給を表す「funding rate」の2点から成り立っている。
したがって、funding rate(資金調達率)の大幅マイナスは市場がショートポジションに偏っていることを示しており、将来的な買い圧力を示唆している。先物ではなく厳密には異なるが、株式市場での信用取引の買い残/売り残の需給が偏重している場合も、需給の歪みが”反対決済圧力”を示唆するという意味ではこれに近い。
26日昼時点では、ビットコイン反発に伴い需給面も改善されつつある。BitMEXのファンディングレートは、26日21時に再びプラスへと転じることになる。
仮想通貨市場データ企業バイトツリー(ByteTree)のデータによれば、採掘されたビットコインの供給量を示すローリングインベントリー(MRI)にて、採掘した在庫数を売却数が超過する「100」を大幅に上回っていた。
なお、中華系マイナーが多く立地する四川省は5月から9月にかけて雨季を迎えている。豊水期には水力発電によって電力供給が増加することから、水力発電の電力費用が大幅にコストダウンするため、大手マイニングファームをはじめ多くのマイニング業者が工場を構えており、ハッシュレートへの影響が注視される。