Mysterium Networkの分散型VPNとは
Mysterium Networkは、分散型VPN(dVPN)を提供するWeb3.0のプロジェクト。
Mysterium VPN(dVPN)はイーサリアム上に構築されており、その利便性を持ちつつVPNが抱える既存の課題解決を目指している。
VPN(Virtual Private Network)はインターネット上で仮想の専用線を構築することで、秘匿性やセキュリティ面などでメリットを得ることが出来るサービスだ。
機密性の高い(企業などの)情報のやり取りや、海外の制限されたコンテンツにアクセスする際の手段として一般に普及している。
dVPNでは、既存のVPNとは違いe-mailや契約、サブスクリプション、クレジットカードなどが要求されることはない。必要な際にのみVPNをオンにし、実際の使用量に応じて暗号資産(仮想通貨)支払うだけで済む。
しかし、dVPNの最も大きな利点は、現在の中央集権型のインフラストラクチャにおける課題を克服することだという。
ノードとして参加、報酬を得る仕組みも
Mysterium Networkのサービスでは、ノードが従来のサーバーの役割を果たし、ユーザーは世界中に位置するIPのリストから選択し、ノードに接続、その地域のコンテンツにアクセスできる。
ユーザーはノードに対して、使用時間、帯域幅に応じた料金を支払う仕組みだ。
ユーザーはdVPNを利用するだけでなく、このノードを運営することでサービス提供側になることも可能になっている。つまり、余っているストレージや計算パワー、IPアドレスをシェアし、有効に活用することが可能だ。
例えば、中国のようなインターネットが制限されている国から、日本のような検閲の無い地域のIPアドレスに接続するといった使い方が考えられる。住居レベルのノードは検出・追跡が殆ど不可能だという。
既存のVPNの課題点を解決する仕組み
一般的なVPNは営利企業によって提供されている。そのため、商業用サーバーを借りるか保有する企業は、政府やISP事業者などから把握される存在であらざるを得ない。
また、サーバーの遅さや制限の存在のほかに、ユーザーの活動履歴を集権型のサーバーに残してしまうという懸念がある。そのため、ユーザーは情報を企業が悪用しないだろうと信頼するほかない。
ところが現実には、商業プロバイダー62社を対象にした研究(2018)で、多くのVPNが様々な方法でユーザーの履歴をリークしていることが分かっているという。
一方で、dVPNのノードはサーバーに代わってサービスを提供する役割を果たし、誰でもこのP2Pのシステムに参加し運用者になることが出来る。
コンピューターやRasberry Piのようなデバイスで参加し、帯域幅やIPアドレスをシェアすることが可能だ。また、ノードは暗号資産で即座に報酬が支払われる。
インターネットのセカンドレイヤーに
分散型インフラストラクチャであるため、データがそののまま保管されることはなく、ノードを通したトラフィックは暗号化される。
単一ノードが一人のユーザーを見分けることは不可能であり、当局やサードパーティーについても同じことが言える。ユーザーはトラフィックを、既知のウェブサイトのみを承認するホワイトリスト制にすることも可能だという。
分散型インターネットと同様に分散型VPNは単一障害点を持たないことが特徴でもある。そのため中央型のサービスに比べより堅牢(ロバスト)な選択肢となっている。
グローバルなノードのネットワークはインターネットのセカンドレイヤーとなって、インターネットが開かれた場所であり新しいアイデアやコラボレーション、接続が行われる場所であることを確保し続ける。
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