機関投資家の温度感は
カナダ最大手デジタル資産マネージャー3iQ Corpが提供するビットコインファンド「QBTC」から、運用する資産が大量に引き出されていたことがわかった。
このファンドは昨年4月にトロント証券取引所に上場したもので、6月上旬のデータでは約24,000BTCを運用していたが、オンチェーンデータを提供するCryptoQuantの最新データでは、運用額13,000BTCと-45%減少している。
BTC資産の在庫が減少し始めたのは6月1日からで、ビットコインが5月の高値から大幅に下落した後のタイミングだった。
一方、QBTCからの出金の時期は、3iQ Corpが販売するビットコインETF(BTCQ)へのBTC流入が一時的に急増したタイミングに重なったとの指摘がある。BTCQに2,088BTCが流入したほか、BTCQがドバイのナスダックへ上場し取引が開始した時期とも被る。
QBTCの仕組みとして、3iQがクライアントがQBTCの株式をETFのBTCQに変更することを可能にしていることから、流出したBTCの一部がETFに移動した可能性も指摘される。
他ビットコイン・イーサリアムETFの状況
2月にカナダの当局に承認された世界初のビットコインETF、資産管理企業Purpose Investmentsが販売するBTCCは、6月14日時点ではそのビットコインの運用資産は19745.7848BTCだったが、7月14日付の最新データによると、22503.8418BTCがあったという。6月からは、+2758BTCと増えてきた。
さらに、Purposeが提供するイーサリアムETFのほうも、6月より規模を拡大。6月14日時点では、55988.7635ETHだったが、7月14日付で61182.8705ETHとなり、+約5200ETHと増加したという。
ほかにも、ブラジル初のイーサリアム(ETH)のETFが主要証券取引所B3に上場した事例が7月14日にあった。大型アップグレード「ロンドン」が8月3日〜5日頃に実施される予定があるため、機関投資家からの需要も高まっているとみられる。
ビットコインETF
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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