ゴールドマン・サックスとGalaxy Digital提携
米金融大手ゴールドマン・サックスは提供しているビットコイン(BTC)先物取引で、大手暗号資産(仮想通貨)投資企業Galaxy Digitalと提携したことがわかった。CNBCなどが報じた。
ゴールドマン・サックスは5月に、ビットコイン先物取引のトレーディングデスクを再開し、機関投資家クライアントにビットコインへのエクスポージャーを提供。
今回、Galaxy Digitalはゴールドマン・サックスのビットコイン先物取引の「ブロック取引」に当たる流動性プロバイダーとなる。同社のグローバルマーケット責任者Damien Vanderwilt氏は、「仮想通貨が新たなアセットクラスとなりつつある今、ゴールドマン・サックスと連携して機関投資家の需要に応えられるのは非常に嬉しい。ゴールドマン・サックスの動きは、今後他の投資銀行が仮想通貨に参加する先例となった」とコメントした。Vanderwilt氏はゴールドマン・サックスの元パートナーで、昨年Galaxy Digitalに転職した経緯がある。
ブロック取引とは
ブロック取引は、株式や仮想通貨の取引において、仲介企業(証券会社や投資銀行)を通じて1つの銘柄を一度に大量に相対取引で購入または売却することをさす。
ゴールドマン・サックスのトレーディングデスクが取引するのは、CMEが提供するビットコイン先物で、先月、CNBCが同社から入手したメモによると、「クライアントへのオファーリング拡大で、新たな流動性プロバイダーと提携する予定である」という。
Vanderwilt氏はゴールドマン・サックスが機関投資家にビットコイン先物取引を提供する重要性について、「より多くの出来高や流動性が機関投資家コミュニティへ移れば、価格のボラティリティも安定し得る」と語った。
ゴールドマン・サックスはクライアントの需要に応じるために、ビットコイン先物だけでなく、イーサリアム(ETH)商品の提供も検討している。今週、同社のデジタルアセット責任者Mathew McDermott氏は、イーサリアムの先物・オプション取引の提供を計画していることをメディアの取材で明かした。
一方、ゴールドマン・サックスの資産管理部門はビットコインなどの仮想通貨の「投資適性」を認めていないようだ。6月のレポート「Digital Assets: Beauty Is Not in the Eye of the Beholder」で、激しいボラティリティや投機性、サイバー攻撃リスク、環境懸念などのネガティブ要素を挙げて、仮想通貨を投資家に勧めない理由とした。また、同社の最高投資責任者も『バブル』となっているビットコインは投資家に適さないと指摘していた。
また、幹部のJeff Currie氏は2日、CNBCのインタビューで「ビットコインを初めとする仮想通貨は、ゴールド(金)というよりも、銅と似た資産である」との見解を示した。
仮想通貨とゴールドはどちらもインフレヘッジに利用できる資産だが、投資に伴うリスクを考えると、正確には価値が異なると主張。ゴールドはリスクオフ(リスク回避時)の時に買われる資産であり、仮想通貨はリスクオン(リスク選好時)の時に買うべき資産だと説明している。
ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックス(The Goldman Sachs Group, Inc.)は、金融グループとして、株式・債券・通貨・不動産取引のブローカー業務や、貸付・保険・投資銀行業務に加え、プライベート・バンキング等も行う米国の金融大手。全体運用資産額は2020年度で、2.1兆ドルと記録された。
動画:加納裕三氏の見解
雑誌「GOETHE」が暗号資産やブロックチェーン業界のキーパーソンを取材する連載「暗号資産は世界をどう変えるか?」と「CONNECTV」とのコラボ企画が始動。ビットフライヤーブロックチェーン代表取締役 加納裕三氏のインタビュー動画を第5回にわたって公開した。
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