日本暗号資産ビジネス協会、確定申告や分離課税に関するアンケート実施

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JCBAが仮想通貨投資家にアンケート

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)の税制検討部会は7日、2022年税制改正要望に向けた調査の一環として、暗号資産(仮想通貨)投資を行っている人を対象に、アンケートを実施すると発表。内容は、仮想通貨の税務申告と税制改正要望に関するものであり、所得税の観点でのアンケートであることから、法人は対象外としている。

確定申告や分離課税について質問

アンケートの質問内容は、仮想通貨への投資金額や投資による利益金額を問うものから、確定申告を行ったか、分離課税についてなど全部で14個用意されている。

JCBAの税制検討部会は2019年4月に発足し、運営メンバーは、株式会社クリプタクト 代表取締役 斎藤岳氏、コインチェック株式会社 経理財務部部長 竹ケ原圭吾氏、株式会社トゥーキューブス 代表取締役 柚木庸輔氏で構成されいる。

また、これまでに計9回、仮想通貨の税制改正について議論しており、自民党や立憲民主党に税制改正要望書を提出するなどしてきた。また、公式サイトでは、2021年度の税制改正要望の骨子を以下のように掲載している。

  1. 暗号資産のデリバティブ取引について、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、デリバティブ取引に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。
  2. 暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることとする。
  3. 暗号資産取引にかかる利益年間20万円内の少額非課税制度を導入する。

現在の仮想通貨の税制は、給与所得など、他の所得と合算した金額に対して税率がかけられるが、「これを株式のような分離課税として一律20%の税率とするよう、また前年度の損失繰越も可能となるよう提言」している。

過去の活動

JCBAは5月、「暗号資産のユースケースに係るディスカッションペーパー 中間報告書」を取りまとめ、公表した。本レポートは、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨が”投機の道具”といったネガティブなイメージで捉えられる傾向があることを受け、仮想通貨のユースケース・有用性の周知を目的としたものであると説明。レポートは以下の3つのテーマに分かれている。

  1. 「暗号資産」に係るユースケースの拡大及びエコシステムの整備
  2. ユースケースの構想・アイデア
  3. 「暗号資産」に係るユースケースの創出に向けた取組み

レポートでは、米仮想通貨運用企業グレイスケールや米資産運用会社フィディリティなどの事例を取り上げ、仮想通貨への金融商品としての需要が高まっていることを示唆していると指摘。また、仮想通貨を活用した社会問題を解決するユースケースのアイディアを披露するなどしている。

 

4月には、NFT(非代替性トークン)に関する事業機会及びリスク等についての検討及び論点整理、販売や流通のルール整備を行うことを目的として活動するNFT部会が中心となり、NFTビジネスに関するガイドラインを作成したことを発表。NFTに関連する独自トークン、及びデジタル資産について、株式の配当に類似した性質を持つ利益分配機能があれば「有価証券」に該当する可能性があるとしたほか、決済手段などの経済的機能を有してる場合は「暗号資産」に分類される可能性もあるとした。

 

同じく4月、JCBAは、金融活動作業部会(FATF)が3月に公表した、仮想通貨に関する市中協議文書に対して寄せられた関係者の意見を取りまとめ、FATFに提出。

意見書提出の背景について次のように説明した。

FATFが公表した改訂ガイダンスでは、暗号資産というイノベーションが期待される分野について、暗号資産やサービスプロバイダーの定義の拡大解釈等を提案しています。これにより、暗号資産関連ビジネスや技術開発に対する過剰な規制に繋がることが懸念されています。

主な内容としては「暗号資産が銀行口座を持たない人々の金融包摂に寄与することへの配慮」や「イノベーションを促進する技術へ寄り添った規制の在り方、プライバシー権など個人の権利保護への配慮」が必要であるなどといった意見を紹介している。 また意見書の中では、FATFの規制基準について暗に批判する内容も盛り込まれていた。

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